×

「北部訓練場」の一部返還 沖縄の反応は?

2016年12月22日 18:40
「北部訓練場」の一部返還 沖縄の反応は?

 沖縄県最大のアメリカ軍施設「北部訓練場」の約半分の土地が日本に返還された。沖縄の本土復帰後、最大規模となる。負担軽減をアピールしたい政府は沖縄で記念式典を開いたが、周辺では抗議デモも発生。直前に起きたオスプレイの事故で政府への反発が強まっている。返還式典の会場から中継で伝える。

 式典は終了したが、結局、翁長知事をはじめ沖縄県の関係者は1人も姿を見せず、歓迎ムードにはほど遠い雰囲気。菅官房長官は式典後、「極めて残念だ」と語った。

 菅官房長官「知事が出席できないということは極めて残念であります」

 政府は、今回の返還を基地負担軽減の成果としてアピールし、20日、最高裁で国の勝訴が確定した辺野古移設工事について、沖縄側の理解を得たい考え。しかし、翁長知事はあらゆる手段を使って移設を阻止する姿勢を崩していない。今後、辺野古沖の掘削工事のために必要な岩礁破砕許可の更新を認めないなど、知事の権限行使で工事を止めることが検討されている。

 これに対し、政府高官は翁長知事の対応によっては工事を不当に阻む権限乱用だとして、政府が沖縄側に対して損害賠償請求を行う考えがあることを明らかにしている。

 翁長知事はこの後、同じ市内で行われるオスプレイへの抗議集会に参加する予定で、今回の返還は、国と沖縄の溝の深さをいっそう際立たせた形。