北朝鮮の金正恩委員長の異母兄弟にあたる金正男氏がマレーシアの空港で何者かに襲われ、殺害された。かつて北朝鮮の後継者としてとりざたされたこともある正男氏殺害のニュースに衝撃が広がっている。複数の日本政府関係者によると、金正男氏を殺害したとみられる女２人は、すでに死亡しているとの情報があるという。国会記者会館から青山和弘・日本テレビ解説委員が伝える。

　日本政府には女２人が北朝鮮の別の工作員に殺害されたとの情報もあるということで、分析を急いでいる。菅官房長官は１５日、午前１１時時点で、日本の安全保障に直接影響するような事象は確認していないと述べた。ある外務省幹部も、「金正男氏が力を持っていた訳ではないし、日本への直接の影響はない」と話している。

　官邸関係者は、金正男氏が中国の影響下にあったことから「金正恩委員長はいつか中国が自分の国を乗っ取るんじゃないかという疑念が消せない。今回の暗殺もその流れだろう」と分析している

　そして外務省幹部は、「中国は面白くないだろうから今後、北朝鮮への対応をめぐる中国との連携がやりやすくなる可能性がある」と指摘している。ただ、「北朝鮮は予見するのがどんどん難しくなっている」とも述べていて、北朝鮮の態勢やその姿勢に変化が見られるのか、日本政府は緊張感を持って警戒を続ける方針。