森友問題「核心は8億円の減額」 部長解説
森友学園をめぐる疑惑が深まっている。そもそもこの問題の核心はどこにあるのか、今後の安倍政権や国会運営における影響はあるのか、日本テレビ報道局・伊佐治健政治部長が解説する。
――契約書を偽造させた疑いも強まっているようだが。
森友学園側は、3種類の契約書のうち、国土交通省に対しては最も高い金額のものを提出していた。これは、できるだけ多くの補助金を得ようとした疑いがあり、国交省は13日の段階で、不明な点が多く残ると説明している。
仮に補助金の返還を求めるだけでなく、刑事告訴に踏み切って捜査当局が動いた場合、捜査の邪魔をできないということを理由に、国会の動きが止まってしまうおそれもある。
――森友学園の問題は複雑に広がっているが、一番大きな問題は何か?
とにかく核心は「国有地が評価額より8億円以上も安く売られた問題」にある。学園が申請を取り下げ、小学校は開設できなくなったので、国は原則として更地にした上で返すよう求めているが、これで幕引きにはならない。
そもそも8億円以上の減額はどう実現したのか。何かと堅いお役所の対応が、なぜあんなに素早く、また書類を破棄したりなどのずさんさが目立つのか、納得のいく説明はまだない。背景に「政治家などの圧力があったのかどうか」、中立、公平であるべき「行政がゆがめられていないか」、厳しいチェックが必要だ。
――政治家と言えば、安倍政権との様々なつながりが明らかになっていると指摘されているが?
稲田防衛相が、かつて森友学園の代理人の弁護士として名を連ねていた可能性が取りざたされている。また、安倍首相の昭恵夫人が、こうした疑惑のある学校で名誉校長を務め、度々講演を行っていた。
こうした関係が行政の異例の対応に影響を与えたかどうかは、はっきりしない。しかし、官僚出身の野党幹部は「官僚が萎縮していて、もし露骨な圧力がなくても、官僚が自ら忖度(そんたく)して動く状況を作ったなら問題」だと追及を続ける方針だ。
――今後の国会の展開は?
野党側は、籠池理事長の参考人招致を求めているが、与党は反対している。安倍政権内には、北朝鮮情勢など外交環境が緊迫する中で、“森友問題”で停滞してよいのかといういらだちも見えるが、足元の行政でもし何か“ゆがみ”が出ているなら、国の危機管理にもつながるのでやはり注意が必要だ。
――契約書を偽造させた疑いも強まっているようだが。
森友学園側は、3種類の契約書のうち、国土交通省に対しては最も高い金額のものを提出していた。これは、できるだけ多くの補助金を得ようとした疑いがあり、国交省は13日の段階で、不明な点が多く残ると説明している。
仮に補助金の返還を求めるだけでなく、刑事告訴に踏み切って捜査当局が動いた場合、捜査の邪魔をできないということを理由に、国会の動きが止まってしまうおそれもある。
――森友学園の問題は複雑に広がっているが、一番大きな問題は何か?
とにかく核心は「国有地が評価額より8億円以上も安く売られた問題」にある。学園が申請を取り下げ、小学校は開設できなくなったので、国は原則として更地にした上で返すよう求めているが、これで幕引きにはならない。
そもそも8億円以上の減額はどう実現したのか。何かと堅いお役所の対応が、なぜあんなに素早く、また書類を破棄したりなどのずさんさが目立つのか、納得のいく説明はまだない。背景に「政治家などの圧力があったのかどうか」、中立、公平であるべき「行政がゆがめられていないか」、厳しいチェックが必要だ。
――政治家と言えば、安倍政権との様々なつながりが明らかになっていると指摘されているが?
稲田防衛相が、かつて森友学園の代理人の弁護士として名を連ねていた可能性が取りざたされている。また、安倍首相の昭恵夫人が、こうした疑惑のある学校で名誉校長を務め、度々講演を行っていた。
こうした関係が行政の異例の対応に影響を与えたかどうかは、はっきりしない。しかし、官僚出身の野党幹部は「官僚が萎縮していて、もし露骨な圧力がなくても、官僚が自ら忖度(そんたく)して動く状況を作ったなら問題」だと追及を続ける方針だ。
――今後の国会の展開は?
野党側は、籠池理事長の参考人招致を求めているが、与党は反対している。安倍政権内には、北朝鮮情勢など外交環境が緊迫する中で、“森友問題”で停滞してよいのかといういらだちも見えるが、足元の行政でもし何か“ゆがみ”が出ているなら、国の危機管理にもつながるのでやはり注意が必要だ。