【全文】北朝鮮“弾道ミサイル”「破壊措置実施せず」松野官房長官記者会見(5/31)
北朝鮮が発射した弾道ミサイルの可能性があるものについて、松野官房長官は記者会見で「破壊措置は実施していない」と述べました。記者会見の全文を掲載します。
○松野官房長官
北朝鮮は本日6時28分頃、北朝鮮西岸トンチャンリ付近から一発の弾道ミサイルの可能性があるものを南方向に発射しましたが、6時35分頃、黄海上空で消失したものと推定しています。またこの発射は、北朝鮮が予告した期間内で、予告した方向に発射したものですが、黄海上空で消失し、宇宙空間への何らかの物体の投入はされていないものと推定しています。詳細については、現在分析中であります。
総理には、本件について直ちに報告を行い、迅速、的確な情報提供、安全確認等の指示がありました。政府においては、北朝鮮情勢に関する官邸対策室において、情報を集約するとともに、緊急参集チームを招集し、協議を行っています。我が国の領域に落下する、または上空を通過する可能性があったことから、速やかにJアラートを活用して、国民への情報提供を行いました。その後、領域への落下や、上空通過の可能性がないことが確認されたため、Jアラートによる避難の呼びかけを解除したところであります。付近を航行する航空機や船舶への情報提供を行ったところであり、現時点において、被害報告等の情報は確認されていません。
これまでの度重なるミサイル発射も含め、一連の北朝鮮の行動は、我が国地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものです。またこのような弾道ミサイル発射は、関連する安保理決議に違反するものであり、我が国としては北朝鮮に対して厳重に抗議し、強く非難しました。また、先ほど国家安全保障会議4大臣会合を実施し、情報の集約及び対応について協議しました。政府としては国連安保理の場を含め、米国・韓国をはじめ国際社会と緊密に連携して対応するとともに、国民の生命財産を守り抜くため、引き続き情報の収集、分析、及び警戒監視に全力を挙げてまいります。今後追加して公表すべき情報を入手した場合には、速やかに発表することとしたいと考えております。私からは以上です。
――今回発射されたものは北朝鮮が予告していた軍事偵察衛星とするものだったと認識しているか。
○松野官房長官
今回発射された弾道ミサイルの可能性があるものは、北朝鮮が予告した期間内で予告した方向に発射されたものでありますが、黄海上空で消失し、宇宙空間への何らかの物体の投入はなされないものと推定します。これ以上の詳細については現在分析中であります。
――北朝鮮メディアは先ほど、軍事偵察衛星の発射について、失敗したと報じました。1段目のブースターを切離して、2段目に点火する際に不具合が起きて墜落したとのことですが、政府としても同様の見解でしょうか。
○松野官房長官
報道は承知をしておりますが、その一つ一つにコメントすることは差し控えさせていただきます。いずれにせよ、現在分析中であります。
――北朝鮮の国営メディアはですね、できるだけ早い期間に第2弾を打ち上げるというふうに述べていますが、この期間中にさらなる発射の可能性があるということでしょうか。
○松野官房長官
北朝鮮は一貫して核ミサイル能力を強化していく姿勢を示しており、今後も各種ミサイルの発射や、核実験の実施など、さらなる挑発行為に出てくる可能性はあると考えています。政府としては引き続き、米国・韓国等とも緊密に連携しながら、必要な情報の収集、分析、及び警戒監視に全力を挙げていく考えであります。
――北朝鮮に既に厳重に抗議したということですけども、これ北京の大使館ルートを通じて抗議したということでよろしいでしょうか。
○松野官房長官
そうです。
――日本のEEZ内への落下、されていないかということと、破壊措置は実施していないということか。
○松野官房長官
破壊措置は実施しておりません。その他に、EEZに対する飛来も確認されておりません。その他は現在分析中であります。
――レーダーから消失した高度は?
○松野官房長官
黄海上空で消失したものと推定していますが、詳細に関しましては防衛省にお尋ねをいただきたいと思います。
――沖縄地区に展開中のPAC3については今後どのようにされるのか。
○松野官房長官
今後の状況に関しては分析中でありますので、その分析を待って適切に対応したいと思います。
――今回のミサイルの飛翔時間と飛翔距離は?
○松野官房長官
詳細につきましては防衛省にお尋ねをいただきたいと思います。
――まだ分析中だと思いますが、今回の発射についてですが、政府としては失敗とみているということか。
○松野官房長官
分析中であります。