「湾岸戦争」外交記録公開 円安で目減りの90億ドル“穴埋め”を…米大統領が日本に求める
外務省が外交記録を公開し1991年の湾岸戦争で日本が追加拠出をした90億ドルをめぐり、アメリカのブッシュ大統領が海部首相に為替変動で目減りした分の穴埋めを求めていたことが、明らかになりました。
公開された文書によりますと、1991年の日米首脳会談で、ブッシュ大統領は海部首相に対し「90億ドル全額を支払う方途をなんとかさがしていただけないか」と求めました。
90億ドルの支払いが円建てだったため、円安により目減りしたことを受けてのものです。
これに対し、海部首相は「国会の制度上、差損に対応して円建ての拠出を上下することはできない」「従って、平和維持活動などのために拠出を行うということだ」と答えました。
文書では、ブッシュ大統領が「アメリカの議会で反日感情を再燃させたくない。この件が解決されれば議会の感情をおさめることは容易になる」などと迫る外交交渉の生々しい舞台裏が記されています。