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露外務省抗議 菅官房長官「粘り強く対応」

2019年1月10日 18:14

日露首脳会談の今月下旬の開催に向けて調整が続くなか、ロシア外務省は9日、日本大使を呼び出し、日本側の発言などについて、「両国民に誤解を与えるものだ」と抗議した。

日露の平和条約交渉を巡っては、安倍首相が年頭所感で、2019年に「転機が訪れる」と述べたほか、一部報道が日本がロシアに対して、北方領土を巡る賠償請求権の放棄を提案すると報じた。

ロシア外務省は9日、日本大使を呼び、こうした発言などについて「自らのシナリオを押し付ける試みだ」と指摘。「日ソ共同宣言を基礎にした交渉の加速化という首脳合意の本質を大きくゆがめ、交渉内容について、両国民に誤解を与える」と抗議した。

「モルグロフ・ロシア外務次官に対し、上月大使からわが国の考え方を、しかるべく説明をしたが、その具体的なやりとりは控えたい」-また菅官房長官は、「領土問題を解決して平和条約を締結する基本方針のもと、引き続き粘り強く対応していきたい」と強調した。