安倍首相“合意なき離脱”避けるよう要請
イギリスを訪問している安倍首相は、イギリスのEUからの「合意なき離脱」による混乱が懸念される中、メイ首相と会談した。高柳裕美記者が報告する。
今回の会談で安倍首相は、社会や経済に大きな混乱を招きかねないイギリスの「合意なき離脱」を避けるよう強く要請し、メイ首相も「最大限努力する」と応じた。
安倍首相「EU離脱協定等の議会承認に向けた、テリーザ(メイ首相)の強い意志と努力に改めて敬意を表します」
ただ、離脱の条件を定めた離脱協定案はイギリス議会で承認される見通しは立っておらず、「合意なき離脱」への懸念は広がっている。
また、来月には、EUとの間で関税を9割以上、撤廃するEPA(=経済連携協定)が発効するが、イギリスは離脱してしまう。このため、共同声明には同じような経済協定をできるだけ早く結び、両国間の貿易活性化を目指すことが盛り込まれた。
また、両国がインド太平洋地域の国々の軍と共同訓練を行うなど、安全保障の面で協力を強めていくことでも合意した。海洋進出を強める中国をけん制するねらい。
経済や安全保障でイギリスとの関係強化を確認できた安倍首相。ただ、イギリスの「合意なき離脱」への懸念は消えたわけではなく、引き続き備えが求められることになる。