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参政党・神谷宗幣氏を生直撃 “ユダヤ陰謀論”修正のワケは…【深層NEWS】

2022年8月20日 16:00
参政党・神谷宗幣氏を生直撃 “ユダヤ陰謀論”修正のワケは…【深層NEWS】

結党からわずか2年。参院選で約177万票を獲得し、国政政党となった参政党。参議院議員となった神谷宗幣副代表が、18日BS日テレの「深層NEWS」に出演した。参政党といえば、ノーマスクでの街頭演説がSNSを中心に注目を集め、著書ではグローバル企業による陰謀論を主張し、批判を浴びる。初登院を終えた今、国会で何をしたいのか。神谷副代表に迫った。

■“ノーマスク”不満を持つ人たちの受け皿に

参政党は「子供の教育」「食と健康、環境保全」「国のまもり」を3本柱に掲げ、SNSを中心に広がった政策には「マスク着用の自由化」と「ワクチン政策の是正と救済策」がある。

実際、彼らの街頭演説を見ると、聴衆ほとんどがノーマスク。日本ではマスクの有効性が訴えられているが、参政党・松田学代表が自身のYouTubeで、識者から科学的なデータを用いた解説を受けてきたことをノーマスクの根拠としている。神谷氏は「政府がやっていることは全て正しいわけではない」と主張する。

参政党・神谷副代表
「松田代表たちと話をして、確かに多くの国民から叩かれると思うと。しかし、メディアが一方通行、そして政府も同じ方向を向いているとなったときに、アンチテーゼを出さないと民主主義が機能しないよねと。だからそこは叩かれてでも、きちっとそういう人たちの受け皿になろうと党で決めた」

■“保守政党”ではない

また、3本柱のひとつ「国のまもり」では「外国資本による企業買収や土地買収が困難になる法律の制定」、「外国人労働者の増加を抑制し、外国人参政権を認めない」と主張している。

「保守色が強いが参政党は保守政党なのか」という番組の質問に対しては。

参政党・神谷副代表
「中心メンバーは考え方が非常に保守的です。でも党員の方を見ると、決して皆さんが保守的な思想の持ち主ではない。私個人が保守的な考えですか?と聞かれれば、保守的な考えを持ってますと答えますが、参政党が保守政党ですかと聞かれた場合、保守やリベラルっていう分け方をしないで欲しいというふうに言っている。グローバリズムに乗っていくのか、それともやっぱり日本は日本のやり方で独自にやっていこうという、我々ナショナリズムって言っていますが、そちらを大事にするか。我々はナショナリズムの方に寄った政策をとっていきますよという形で、他の方には説明をしている」

その一方で。

参政党・神谷副代表
「実は今までリベラルと言われていた人たちが訴えていたこともこの枠組みであると、我々の政策に入ってくるんです。政策だけ見て保守かリベラルかよくわからないというふうに言われるとその通りで。私達はその保守的な人たちだけの票をもらおうとか、そこを強く訴えようということをあまり強調しなかった、重きを置かなかったということですね」

番組に出演した政策研究大学院大学・飯尾潤教授は「イデオロギーのない共産党」という指摘もあった。「保守的な政策との親和性はある」と指摘しながらも、党の支持者が多様であることは、党をまとめる立場にある神谷氏が最も理解しているようだ。

■“あの勢力”陰謀論との批判も

番組では、『参政党Q&A』という著書の記述について真意を問うた。著書には「ワクチンや医薬品販売による莫大な利益獲得を目的とする“あの勢力”がコロナ禍の恐怖を過剰に煽るために、新聞やテレビなどのメディアを利用して盛んにマスク着用呼びかけている」という記述が。“あの勢力”とは、何を指すのか。

参政党・神谷副代表
「国際金融資本や多国籍のグローバル企業のことを指しています。国境を超えて、企業によっては小さな国家よりも力持ってるところもたくさんあります。その気になれば、メディアを動かすこともできるし2国間の対立を煽って戦争を引き起こすことだって十分できると。そういった勢力が世界にはあるというふうに私は認識しています。だからこそ1つのムーブメントを起こそうと思えば、マスクの着用をこういうふうに煽ったりとか、過度なパンデミックを作り出そうというふうなことも十分にできるから、そういった可能性を私達は懸念しています」

また著書では、国際金融資本を中心とする複数の組織の総称として「ユダヤ系」という記述まであるが、神谷氏は番組で、これを修正する考えを示した。

飯塚恵子 読売新聞編集委員
「妥当性は?本当このままでいいんですか、国政政党として」

参政党・神谷副代表
「ユダヤ系のと限定する書き方はちょっとまずかったと思ってます。その文章は、みんなで持ち寄って書いていたので、ユダヤ資本が入ってるのは事実だが、全てユダヤ人がやってるというふうに誤解されるような書き方はちょっとまずかったなというふうに思っていて、今後修正をしていかないといけないなというふうには考えています」

■参加できる政党「空中分解の可能性」

そして、党の最大の特徴は「参加できる政党」であることだ。1000円から一般の人が党員となることができ、4000円の党費を払えば、党内で起案された政策や、公認候補者に対する投票権を取得できる。神谷氏自身が発言しているように、参政党の支持者は、保守、リベラルという二元論に当てはまらない多様な人々である。しかし、国会では、党として賛否を示すことが求められる。全国の党員をまとめ、“党内民主主義”を確立することは、はたして可能なのか。

右松健太キャスター
「参政党はみんなが参加する政党だと標榜してらっしゃるので、この党の今後の骨格や立場、1つ1つの政策におけるスタンスなども、今後問われてくるわけですよね」

参政党・神谷副代表
「今まさに10の柱だけ決めて、細かい政策はまだ決まっていません。我々、憲法を創憲したいというふうに訴えてるんですけども、どういう憲法案をどういうプロセスで作るかということも、実はまだ確定していなくて、今まさに急ピッチで(進めている)。」
「実は1万人で選挙に挑むと言っていたが、今の時点で(党員が)10万になっているんです。こんなに急拡大すると思っていなくて。この10万人の声が、不満が出ないように吸い上げる仕組みはどうなのか、というところを実は今もっぱら議論してるところで」

飯尾潤教授は、「参政党が掲げる組織論は、これまで日本の政党になかったものを持っていることは確かである」と語った。

参政党・神谷副代表
「これから慎重にやらないと、せっかく集まってくださった10万人に失望されて“空中分解”してしまうということも大いにありうるので、今私はそこに1番神経を使っています」

今後への危機感を口にした。

結党から2年、異例のスピードで国政政党となった参政党だが、実は誰よりも、今後の組織拡大や党運営に危うさを感じているのは、神谷氏本人なのかもしれない。選挙時に全国49あった支部を、289ある小選挙区ごとに設置するべく、組織の地盤作りを“急ピッチ”で進めている。

参政党・神谷副代表
「選挙のときの熱狂というのはちょっと我々の身の丈に合わないぐらい大きなものだったと思っていて、それを維持しようとは実は思っていない。熱気で集まった人たちの熱気を“信頼”に変えていきたい」

「熱気を信頼に変える」という神谷氏の言葉。それを実現するためには、有権者から寄せられた期待を、国政の場で1つでも多く形にする必要がある。果たして1人の新人議員にそれができるのか、その道のりは平たんではないだろう。

(政治部・野党クラブ 長谷栞里)