【深層NEWS】安倍元首相が変えた日本の安全保障<前編>

東アジア情勢が緊迫する中、安倍元首相のもとで施行された安保関連法は、日本の安全保障政策の大転換となりました。7月13日放送のBS日テレ「深層NEWS」では安倍政権のもとで約4年半にわたり自衛隊制服組のトップ、統合幕僚長を務めた河野克俊さん、日本の思想史が専門の日本大学危機管理学部教授、先崎彰容さんをゲストに<前編>では、日米同盟強化の意義、世論が二分された時にリーダーとして何を決断するのかを考えました。
■河野氏、「警察も自衛隊も、結果が全て」
右松キャスター
「安倍元首相の信頼も厚く、河野さんは自衛隊統合幕僚長のポストを定年を3度延長して約4年半勤めていました。今回の事件を今どのように受け止めていますか?」
河野克俊氏
「事件を聞いたときには本当にショックで、何とか一命を取り留めていただきたいと思ったのですが、こういう結果になりまして非常に残念ですし、日本の大きな柱を失ったのではないかと感じています」
「警察の方々もよくわかっておられると思うし、自衛隊も一緒なのですが、結果が全てなんですよね、基本的には我々は『一生懸命やりました』ということについてはあまり意味をなさない世界です。警察庁長官をヘッドにして検証すると聞いておりますので、十分検証していただきたいと思っています」
飯塚恵子読売新聞編集委員
「犯人は海上自衛隊で勤めた経験があると。この点については?」
河野氏
「3年間と聞いておりますが、短期間とはいえ、海上自衛隊に籍を置いた者がこのような凶行に及んだということについては、私としては本当に忸怩たるものがあるし、より一層怒りを感じています」
■先崎氏、「不安は言語化する必要がある」
右松キャスター
「今回の事件について多くの国民がショックを受けています。安倍元首相の銃撃 事件をどう見ていますか?」
先崎彰容氏
「まず、一国の元首相が亡くなったことの意味というのを考えなくてはならないです。例えば、皇室が改元し『令和』に代わると。そうすると我々は自然に『平成とはなんだったのか』という括りで物事を見始めたりしますよね。そういう意味において、一国のトップの方が亡くなるということで最も危惧するべきなのが『時代がガラッと変わる象徴』になったり、時代の転換点を生み出してしまったりするというのが、こういった事件の持つ意味なのです」
「我々が(安倍元首相と)会ったことないにもかかわらず、何かショックを受けたり、私の周辺でも事件そのものを見ると不安になったりする方がいますが、これは社会全体の何か転換点であるということは戦前にもあったことで、その観点から注意するべきと思って見ていました」