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バリアフリー化急ぐ国会 重度障害者に対応

2019年7月29日 17:14
バリアフリー化急ぐ国会 重度障害者に対応

国会がバリアフリー化を急いでいる。参議院選挙で「れいわ新選組」から重い障害がある2人が当選したことに対応するためで、議場内の工事も始まった。

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参院選で初当選した舩後靖彦氏を訪ねた。難病・ALSを患い、全身を動かすことができない。

舩後氏が口でチューブをかむとパソコンのカーソルが動き、あいさつの言葉が映し出された。

「宜しくお願い致します。舩後でございます」

インタビューは介助者の手を借りて行う。

Q.当選されて今の気持ちは?

介助者「“こ”でいいですか? “こ“の次ね」

目の動きで文字盤から一字ずつ選び、自分の考えを伝える。

れいわ新選組・舩後靖彦氏「興奮冷めやらぬ思いです」

介助者「『おはよう』という言葉なら『あ』行で目がパチンとされます。下におりていって『お』の所で目がパチンとされます。次の文字はまたこうやっていって」

時間はかかるものの、意思を伝えることができる舩後氏。ただ、今後、議員として活動する上では多くの課題も抱えている。

介助者「普通の車イスよりもだいぶ重いと思います。ここに舩後さんを乗せた形で150キロくらいになると思います」

そもそも、大きな車イスに乗ったまま議席につけるのか、採決の際、通常は登壇して投票しているがどうするのか、といった懸念。

先週、国会の本会議場では、舩後氏が使う議席を議運委員長が視察。28日に早速、改修工事が行われた。

もともとあった議席を取り外すことでスペースを確保し、車イスのまま席につけるようにした。

また、参議院は介助者が代わりに投票することを認めるなど、新たなルールの導入を決めた。

こうした配慮についてどう思うか、舩後氏に聞いた。

介助者「座席を直すのも、すべて税金を使わせてもらって、本当に申し訳ないってことをいっています」

涙ぐむ場面もあった。

一方で、ほとんどの国会議員は当選後、1年以内には国会で質問に立つことになる。

この点について自民党からは厳しい指摘もあがる。

自民党関係者「自らの口で発言ができる人が議員活動を行ったほうがより障害者の声は届く」

Q.質問に立つことも考えている?

介助者「国会議員になって、僕はまだ1年生なので、これからいろいろなことを学んで必要があれば登壇して話をする。(いつするかは)簡単には答えられることではない」

現時点では、近いうちに質問をすることは考えていないとした。

舩後氏ら初当選の議員は、8月1日に初登院する予定。

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