安倍派幹部「政治責任」判断どうなる? 党則での処分は…閣僚経験者「最低でも離党勧告」
■“自ら政治責任を判断”茂木幹事長が安倍派「5人衆」に求める
「安倍派の幹部『5人衆』、松野前官房長官、西村前経産相、萩生田前政調会長、高木前国対委員長、世耕前参院幹事長。安倍元首相亡きあと、官房長官や大臣、党の要職を担ってきた人たちです」
「茂木幹事長がこうした5人衆や安倍派の塩谷座長などに自ら政治責任を判断するよう求めたことが25日、分かりました。離党や議員辞職を念頭においているものとみられます。もしそうなると、かなり重い処分ですが、どういうことでしょうか」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「実はこれ、25日の自民党の政治刷新本部が決定した『中間とりまとめ』のなかに、『今後、関係者による明確な説明責任に加え、あるべき政治責任についても結論を得る』とあり、“刑事責任は問われなかったけど、それで終わり、というわけにはいかない、『政治責任』はどうなるの?”というなかで、出てきている動きなんです」
「この5人衆が『政治責任』や『説明責任』を果たしてきたのかといえば、松野氏は官房長官時代、『政府の立場としては、答えは差し控える』とずっと言い続けていましたし、ほかの人も『詳細まで把握していなかった』『秘書に任せきりの状況だった』などと知らぬ存ぜぬという姿勢だったんですよね」
■事実上の離党要求? 応じなかった場合に処分は…
有働キャスター
「こうしたなか、茂木幹事長が安倍派幹部自ら判断するよう求めた…これ、事実上の離党要求に感じる人もいそうですよね?」
小栗委員長
「茂木幹事長は『党内の声を伝えた』というふうに言っていますが、私たちの取材でも、ある自民党の閣僚からは『離党勧告まで出すべき。多額の金をポケットに入れていた人がいるわけで、けじめをつけないと次には進めない』、安倍派の若手議員からは『幹部は責任とってほしいと内心思っている。誰かが言ってくれないと、地元に説明がつかない』といった声が聞かれました」
「ただ事実上の離党要求ともとれるような状況については、安倍派の別の議員から『え-! と思った。激震だ。ほとんど政治生命が消えるのでは』と驚きの声も上がっています」
有働キャスター
「離党しないと言ったらどうなるんですか?」
小栗委員長
「手続きとしては、自民党が『党紀委員会』を開いて、処分を決めることになります。処分は8段階で、最も重いのは『除名処分』、2番目が『離党勧告』です」
「3年前、コロナ禍で銀座のクラブに行っていた議員は、離党勧告処分でした。ある閣僚経験者は今回、最低でも離党勧告だと指摘しています」
有働キャスター
「どちらにしろ追い込まれていると…」
■解散しない派閥も 今後は
有働キャスター
「茂木幹事長が判断を求めたのですが、岸田首相はいわゆる派閥はなくすとは言っていましたけど、自身の茂木派は解散しないんですか?」
小栗委員長
「そうなんです。自民党には6つの派閥がありますが、茂木派と麻生派は解散しない意向です。一方、今回、刑事処分が出た安倍派・二階派・岸田派は、すでに解散を決めています。25日、森山派も刑事処分は出ていないんですが、『政治の信頼を取り戻すため』として解散することを決めました」
「解散しないまま、カネや人事と決別できるのか、解散しないと決別できないのか、今後、私たちにどのような姿を見せていくのかが問われています」
有働キャスター
「廣瀬さんはどう思いますか?」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「選挙の時とか調子良い時はたくさん話をするのに、いまだに説明責任を果たしていないのは、情けない話だなと思いました。こういうタイミングで仕組みを変えないと、歴史上同じことを繰り返してきたので、自民党自ら発信して、特に連座制を取り入れるということをしっかりやってほしいなと思います」
有働キャスター
「ずっと『外堀』の話をされているような気になりますけれども、『本丸』は今後、裏金作りをどうやって防ぐか、なので今ある法律すら守れなかった人たちにどうやって守らせるか。もっと透明なルール作り、これは絶対避けて通れません」
(1月25日放送『news zero』より)