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国会閉幕 社会問題化“統一教会”と政治家の関係 議員の“説明”は…

2022年8月5日 21:44
国会閉幕 社会問題化“統一教会”と政治家の関係 議員の“説明”は…

3日に召集された臨時国会は実質審議が行われる事なく、5日に閉幕しました。「世界平和統一家庭連合」、いわゆる“統一教会”との関係が指摘されている議員をカメラが追いました。一方、安倍元首相の銃撃事件について、警察庁は現時点の検証状況などを公表しました。

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5日、国会に姿を現したのは、「世界平和統一家庭連合」、いわゆる“統一教会”の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁を「マザームーン」と呼んでいた山本朋広元防衛副大臣です。会議場に入った山本議員は辺りを見回し、カメラに背を向けました。そして、会議は終了。2か所ある出口は、報道陣がマークしていました。しかし、なかなか本人は現れません。室内を確認すると、山本議員の姿はありませんでした。こつ然と姿を消したのです。

室内のカメラが、このトリックをとらえていました。会議の直後、山本議員はカメラの死角になっていた委員長席の方へ移動。他の議員が続々と退出する中、なんと、議長席の後方にある扉から隣の部屋へ。そこから脱出したのでしょうか。

首相や幹事長が「個々の議員が説明すべき」としている中、再び山本議員を直撃しました。

――なんで「マザームーン」と呼ばれていたのですか?

自民党 山本朋広元防衛副大臣
「じ…じむ…事務所の方に…」

――事務所に問い合わせても、毎回同じ返事でして

自民党 山本朋広元防衛副大臣
「ご連絡いただければ…ちゃんとあの…」

――回答案を控えるというお話だったので

自民党 山本朋広元防衛副大臣
「事務所にキチッとあの…ご連絡いただければ、キチッと対応しますので」

統一教会との関係について、事務所に2度問い合わせていますが、「個別の問い合わせには回答しておりません」と2回とも同じ回答でした。

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そして、新たに教団との関係が明らかになったのは現職閣僚です。

山口壯環境相
「色んなところから、頼まれたら全部します」

教団の関係イベントに祝電を出したことを明らかにしたのは、山口環境相です。

山口壯環境相
「もう1回、言いますよ。どこからでも来たものは、全部出してます。よっぽどおかしい団体でなければ、この時に、この団体はわからないわけですよ。わかりますか? もうこれからは出しません。それだけです」

また、小林経済安保相は、関連団体のイベントに出席したことを認めました。

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一方、2015年に認められた教団の名称変更への関与を否定しているのは、下村元文科相です。5日、現職の末松文科相が調査結果を報告しました。社会的に注目度の高い法人の事案だったことから、担当者が下村氏に2度、報告をしたことを明らかにした上で、末松文科相は「下村元大臣から、指示やそういうものはありませんでした」と述べ、下村氏が政治的判断を行ったものではないとの認識を示しました。

事件をきっかけに、政治家と教団の関係が昭らかになっています。

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安倍元首相が銃撃されて、4週間となりました。

警察庁は当時の警備状況について検証を進めていますが、現時点の検証状況などを5日に公表しました。

まず、警察官の警戒していた方向については、安倍元首相が立っていたガードレールの内側では4人の警察官が警備にあたっていましたが、演説当時、4人全員が主に前方の聴衆を警戒していて、後ろ側を主に警戒する警察官は4人を含め誰もいなかったといいます。

当初4人のうち1人は、主に後方を警戒する予定でしたが、右側前方の聴衆が増えてきたことから、結果的に全員が前方を警戒する形になったといいます。

手薄になっていた安倍元首相の後方。そこへ忍び寄った山上容疑者。そして、突如鳴り響いた銃声。ガードレール内の4人の警察官は全員、銃声だと認識できず、「花火のような音」だと思ったといいます。そもそも、警備の計画段階でも、後方を主に警戒する警察官は1人だけでした。

国家公安委員会などの議論では、「計画の段階で後方の脅威に対し、十分な配慮がなかった」としています。警察庁などは引き続き検証を行い、今月中に結果をとりまとめ、公表する予定です。