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【解説】首相「育休中の学び直し」発言を釈明 「キャリアに不安」難しい現実

2023年1月30日 20:07
【解説】首相「育休中の学び直し」発言を釈明 「キャリアに不安」難しい現実

岸田首相が27日の参院本会議で、「育休中の学び直しを後押しする」と答弁したことについて、批判が出ています。

●首相発言に批判
●「キャリアに不安」8割
●求められる支援は

以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

■「育休中学び直し」首相が釈明

きっかけは、27日の参院本会議でした。自民党の大家参院議員は、産休・育休中の「学び直し」を支援する企業に対し、国が支援するよう検討を求めました。

自民党 大家参院議員
「(産休・育休の期間に)リスキリング(学び直し)によって、一定のスキルを身につけたり、学位を取ったりする方々を支援することができれば、子育てをしながらもキャリアの停滞を最小限にしたり、逆にキャリアアップが可能になることも考えられます」

岸田首相
「育児中など様々な状況にあっても、主体的に学び直しに取り組む方々をしっかりと後押ししてまいります」

岸田首相は産休・育休中に資格・学位を取得するなどの「学び直し」をする人たちを後押ししていくとしました。

今、まさに“育休中”という街の人からは「育児に追われる“育児休業の実態”を理解していない」などと批判が集中しました。

子どもが生後7か月 育休中の会社員(30代)
「『ちゃんと子育てしてきた方々が発言してるのかな?』と思いました。自分の時間がほぼないので、『学びたいな』とか思ったりもしたんですけど、なかなか決まった時間が取れなくて」

子どもが生後1か月 育休中の会社員(30代)
「現場との温度差みたいな。そんなことできるのかなみたいな。やっぱり子育てを当事者としてやってこなかった方は、わかりづらいんですかね。『そんな暇はないよ』というような」

野党からも、批判の声があがりました。

立憲民主党の蓮舫議員は、ツイッターで自身の育児休業を振り返り、「育児の現実、両立の不安を知らない答弁を止める人が岸田総理の周辺にいないの?」と投稿しました。

また共産党の小池書記局長は出演したテレビ番組で、「子どもの育児で格闘している時、そんなことできるわけがない」と指摘しました。

こうした批判を受けて、岸田首相は30日の衆院予算委員会で、釈明に追われました。

岸田首相
「私自身も、3人の子どもの親です。子育てというものが経済的・時間的、さらには精神的に大変だということ。これは目の当たりにしましたし、経験もいたしました」

首相は「本人が希望したならば、リスキリング(学び直し)に取り組める環境整備を強化していくことが重要だという趣旨」と説明しました。

岸田首相は「丁寧な説明を」と常々おっしゃいますので、できる限り最初から丁寧に説明してもらわないといけないと思います。

■育休中“難しい現実” キャリアに不安も

育休コミュニティ「MIRAIS」のアンケートには、多くの悩みが寄せられています。

【育休中 特につらいこと】
1位 睡眠不足(54.3%)
2位 突然消える1人時間(52%)
3位 社会からの疎外感(43%)

一方、産休・育休明けのキャリアに不安を持つ声も多いです。保育事業を手がける「子ねくとラボ」が、育児後の仕事復帰を考えている母親を対象にアンケートを行いました。

「仕事から離れることで、キャリアに不安を感じるか?」という質問に対して、約80%が「不安を感じる」と答えました。

その理由として、「子育てと仕事の両立」(66.3%)、「収入面で不安」(45.3%)、「ポジションがなくなる」(40.7%)、「昇進のチャンスが遠のく(23.3%)」などと、キャリアへの不安の声も多くあがりました。

■忘れてはいけないこと…「子育て自体も学び直し」

街の人からは「育休中にスキルアップしたい」と考える声も多く聞かれました。

子どもが生後10か月 育休中の会社員(20代)
「今の仕事の資格を、もうちょっと上を目指した資格を取りたいなと思います」

子どもが生後5か月 育休中の会社員(30代)
「『キャリアに役に立つものを』と思って調べて、産休に入る前は『この資格取ろう』とか、『あの資格取ろう』みたいな感じで、計画して、産んでみて『これは無理やな』と思って、やめちゃったんで」

みなさん気持ちはあっても、なかなか難しいということです。

MIRAISの栗林真由美代表は「世の中の風潮として、まず『育休中の学び直し』が当たり前となるのはかなり酷」と指摘しました。

そして企業側は「学び直しするかは当事者にゆだねる」、「差別なく受け入れる」ことが重要としています。

そして栗林代表は「子育てそのものが学び直し」と訴えています。「育児そのものが新たな学びの機会になっている」とした上で、経験がある人とない人がお互いに歩み寄っていく理解も必要としています。

     ◇

私自身も育児で仕事を休みましたが、思い出しても、余裕のない日々。確かに目の前のことでいっぱいでした。新しい学びに取り組むだけの余裕がある人もない人も、それぞれの育休を豊かに過ごせたと実感できるような支援が求められます。

(2023年1月30日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)