焦点“定年延長”判断基準は?森法相が答弁
検察庁法改正案をめぐる与野党の攻防が山場を迎えています。野党が求めていた森法相が質疑に出席しました。焦点は、検察幹部の定年を延長する基準。森法相はどのように説明したのでしょうか。
15日午後2時半頃、注目の質疑がはじまりました。内閣が認めた場合に、検察幹部がポストに残れるとしている検察庁法改正案。最大の焦点は…。
国民民主党・後藤祐一議員「どういった場合に(延長)できるのかという基準について、ぜひ明確に森大臣に示していただきたい」
内閣が延長を認める際の「判断基準」。政府は13日、基準は「今はない」としていました。はたして15日、示されたのでしょうか?
森法相「これは新たに定められる人事院規則の規定に準じて定めます。現時点で人事院規則が定められておりませんので、その内容を具体的にすべて示すことは困難であります」
人事院規則が定められていないとして具体的な基準は示さなかった森法相。これに対し、野党はどんな時に仕事を引き継げないかの具体例をあげるなど、もっと具体的な基準を示すべきと主張しました。
後藤議員「検察に適用される具体的なイメージを答弁ください」
森法相「適切により具体的な要件を定めるべく検討をすすめてまいります」
後藤議員「この法案審議上では出せないってことですね」
森法相「新たな人事院規則に準じてまいります」
行政学の専門家は…。
神戸学院大学、中野雅至教授「好き嫌いの(恣意的な)人事をなくすために基準を設けるわけです。ここは当然論点になるわけですから“(現時点で)無しです”というのはあまりにも横暴だと思う」
一方、15日、会見を開いたのはロッキード事件の捜査にかかわった元検事総長。人事に政治権力が介入することを正当化するなどと、改正案に反対する意見書を法務省に提出しました。
中野雅至教授「(Q改正案が通ればどんな影響が?)時の政権が絡んでいる事件とか、汚職事案とかになかなか踏み込めないとか、検察自体が力が落ちていく可能性が非常に高いと思います」
森法相は「検察は強い権力をもっておりこれを民主的に統制するため内閣が人事権をもっている」との考えを示しています。