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「全数把握」見直し 東京・大阪は“慎重” そのワケは…

2022年8月26日 0:57
「全数把握」見直し 東京・大阪は“慎重” そのワケは…

政府が発表した新型コロナウイルス感染者の「全数把握の見直し」について、歓迎する自治体がある一方で、東京や大阪などは慎重な姿勢を示しました。「デメリットの方が大きい」という声もあがる、そのワケは…。日本テレビの小栗泉解説委員が解説します。

■軽症者の“体調急変”に不安な面も

日本テレビ・岩本乃蒼アナウンサー
「東京都の小池知事、大阪府の吉村知事がそろって慎重な姿勢を示したのが、新型コロナ感染者の『全数把握の見直し』です。対象が重症化リスクの高い感染者に絞られることについて、吉村知事は『健康観察や療養証明書の手続きを考えると、デメリットの方が大きい』としています」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「確かに症状が軽い人へのフォローについて、不安な面もあります。具体的には、体調が急変した時に、どうするのか。今は、患者全員の名前や症状などの情報を『HER-SYS』という公的な健康管理システムに入力しています。全数把握しないと判断した場合、症状の軽い人については、入力しなくてもいいということになります。ということは、体調が急変したら、自分で体調管理をしなければならなくなります」

「ただ、政府は、相談窓口として、『健康フォローアップセンター』をすべての都道府県に設置して、対応するようにとしていますが、実はまだないところもあるのです。そして、療養証明書についても、保険会社などから提出が求められることもあるのですが、国が発行する療養証明書を自分で出すことはできなくなります」

■自治体で判断“バラバラ” やむを得ず?

岩本
「今回の全数把握の見直しというのは、そもそも医療現場の負担を軽くするために行われるのですよね?」

小栗
「そうなんですよね。そうしたこともあって、歓迎している自治体というのもあるのです。神奈川や千葉などは『負担を改善できる』、『やるべき仕事に専念できる』としています」

岩本
「判断が自治体によってバラバラになってしまいますが、それは仕方ないということですか?」

小栗
「政府としては『ゆくゆくは、全国一律で感染者数の報告だけの形にしていきたい』と考えているのです。ある官邸関係者は『HER-SYSに人数だけを入力できるように改修が必要。これが9月の半ばには終わる見通しで、その頃には全国一律に移行できるのではないか』と話しています」

岩本
「廣瀬さんは、どのように考えていますか?」

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「個人的には医療現場の負担を減らすためにも、全数把握ではなく、重症化リスクがある人を重点的でいいのかなと思っています。ただ、患者が不安に感じる点をどうフォローアップしていくのか。みんながわかるように示してほしいですね」

(2022年8月25日放送『news zero』より)

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