なぜこのタイミングで? 実現の要因は? ゼレンスキー大統領が日本訪問へ…岸田首相にとっても「追い風」か
複数の日本政府関係者によりますとウクライナのゼレンスキー大統領があす20日に日本を訪れ、あさって21日にG7広島サミットに出席することがわかりました。なぜ?このタイミングで日本訪問が決まったのでしょうか?
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このタイミングで決まった一番の要因についてある政府関係者は「ゼレンスキー大統領が日本に来る交通手段確保の目処がたったため」と明らかにしました。
わたしたちは今週に入りフランス、イギリスなどヨーロッパ各国を相次いで訪問していたゼレンスキー大統領がその足でG7広島サミットに参加するため日本を訪れる可能性があるとの情報に接しました。しかし政府関係者は同時に「移動手段が確保されるまでは最終的にどうなるかわからない」とも話していました。
この「広島までの足」が確保されたことを受けてサミットへの出席が決まったわけなんです。
――ゼレンスキー大統領が日本に来てからの予定は何かわかっていますか?
あさって21日の午前中にウクライナセッションがセットされているのでその会議に出席するとみられます。
G7首脳に対してゼレンスキー大統領は「ロシアへの非難・ウクライナへの支援」を訴える見通しです。ゼレンスキー大統領はあす、日本に入る予定でこのセッション参加の前後の予定は未定な中、ある政府関係者は「バイデン大統領との会談を模索するだろう」と述べているほか「平和記念公園や原爆資料館を訪問する可能性もあるだろう」などと指摘しています。
――ゼレンスキー大統領が日本に来る意義はどうみていますか?
ある政府関係者は「戦時中の国家元首が被爆地広島でG7首脳と一緒に世界にむけて平和を訴えるメッセージを出す意味は大きい」と話しています。
そもそも岸田総理のサミットでの最大の狙いは「核なき世界にむけて世界に強いメッセージを出す」ことです。いま、まさにロシアによる核の脅威にさらされているゼレンスキー大統領が核の被害を受けた被爆地、広島で平和にむけたメッセージを出すことは岸田総理にとっても「追い風」になるといえます。
この両者の利害が一致したことで日本訪問が実現したとみています。