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新内閣で「女性のいない民主主義」変わる?

2020年9月15日 21:30
新内閣で「女性のいない民主主義」変わる?

自民党の幹事長代行に、無派閥の野田聖子さんの起用が決まりました。当選9回、総務大臣や党の総務会長などを経験したベテラン議員で、菅新総裁が訴える「不妊治療への保険適用」にも長年とりくんできました。議員の比率が世界163位と低く、「女性のいない民主主義」と呼ばれる日本。新内閣では、どう変わるのでしょうか。
 
■「石破氏」を叩いて渡った?
菅義偉“新総裁”の誕生から一夜、注目の人事が続々と判明していますが、ネットでも盛り上がっています。14日、総裁選で菅さんの当選が決まると、SNSは大喜利状態になりました。 
「石破氏をたたいて渡った」 
「ガースー黒光り内閣」 
菅さんご本人は、インターネット上で「ガースー」と呼ばれていることについて「嫌な気なんか全然しないですよ。ガースー、公認ですよ」と笑って答えました。 
 
■自民党役員人事決まる 二階幹事長は再任
そして、注目はやはり「人事」ですが、15日、自民党の役員人事が正式に決定しました。 
 
党ナンバー2の幹事長には二階俊博さんが再任し、総務会長には元総務大臣の佐藤勉さん、政調会長には下村博文さん、選挙対策委員長には山口泰明さんが就任しました。ここまでが「党四役」といわれる最重要ポストです。そのほかの重要ポストには、国会対策委員長に森山裕さん、幹事長代行に野田聖子さんの起用が決まりました。 
 
■日本は「女性のいない民主主義」
 
今回は、野田聖子さんに注目します。 
 
野田さんは無派閥。当選9回で、総務大臣や党の総務会長などを経験したベテラン議員です。14日の総裁選が終わったあと、こう述べています。 
「いつものことなんですけど、大舞台に国民の半分である女性の姿がどこにもいないというのに常に私は常に違和感を感じています。なぜなれば、国会議員というのは国民の代弁で、女性たちも国民であるというのを改めて私自身が痛感して、私国会議員の1人として自分ができることにいそしんでいければと」
 
日本の衆議院は、女性議員の比率が約10%で、10人に9人が男性です。世界190か国中、163位と低く、先進国でも最下位。 日本は「女性のいない民主主義」といわれています。 
 
今回の総裁選には、女性議員では野田さん、稲田朋美さんも出馬意欲示していましたが、出ませんでした。過去に立候補できた女性は小池百合子都知事のみです。政策を立案する過程に女性がいないと、政策のバランスを欠いてしまいます。 
 
今回、菅さんが「不妊治療への保険適用」を訴えていますが、実は野田さんはこの問題に長年とりくんできました。2020年6月に議員連盟を立ち上げたばかりで、今回党の執行部に入り、具体的に進められるか期待がかかります。 
 
■官房長官は加藤勝信厚労大臣を軸に調整
 
党の人事も固まり、注目はどんな内閣を作るかということに移ります。菅さんは14日、「国民のために働く内閣」にしたいと述べましたが、顔ぶれが見えてきました。 
まずは、再任させる意向を固めた人たちです。麻生副総理兼財務大臣、茂木外務大臣、赤羽国土交通大臣、橋本オリンピック・パラリンピック担当大臣です。 
 
そしてこの内閣のカラーを決めそうな官房長官ですが、加藤厚生労働大臣を軸に調整が進められています。加藤さんは菅官房長官のもとで副長官をつとめた経験があります。 また、ポストはわかりませんが、坂本哲志さんと平沢勝栄さんの初入閣も固まっています。 
 
■新「ファーストレディー」はどんな人?
 
16日、国会が開かれ「菅総理大臣」となると同時に誕生するのがファーストレディーです。菅さんの奥さまである真理子さんは、どのような方か。 
 
菅さんと真理子さんが出会ったのは、菅さんが国会議員秘書になった20代のころで、真理子さんを見た瞬間にひとめぼれのような感じだったと本人は語っています。 選挙期間中は多忙な夫に代わり、選挙区を回って陰で菅さんを支えてきました。 
 
ファーストレディーは首脳外交を支えるだけでなく、独自の外交活動を展開する人もいます。 橋本龍太郎元総理の妻・久美子夫人は、平和な世界を目指して「ピースリンクジャパン」を設立し、アメリカの議員夫人らと連携して各国の女性と意見交換を行いました。 福田康夫元総理の妻・貴代子夫人は、日本の母子手帳を世界に普及させる活動を現在も行っています。 
 
こうしたファーストレディー外交が、首脳外交の潤滑油になり実を結ぶこともあるため、真理子さんがどのような活動をするか期待したいです。 
 
女性活躍を看板に掲げた安倍政権では、女性リーダーを30%にする目標がありましたが、達成できずに先送りとなりました。菅さんには、こうした積み残された課題をしっかり推し進めることを期待します。 
 
(2020年9月15日 16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)