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【全文】円安1ドル=146円台「過度な変動については適切に対応」官房長官会見(10/12午前)

2022年10月12日 15:42
【全文】円安1ドル=146円台「過度な変動については適切に対応」官房長官会見(10/12午前)

松野官房長官は12日午前の会見で、外国為替市場で円相場が約24年ぶりに1ドル=146円台をつけたことを受け「過度な変動については適切な対応を取りたい」と述べました。

<会見トピックス>
▽円安
▽ウクライナ情勢
▽"統一教会"解散請求申入れ
▽土地利用規制法
▽NISAの拡充
▽全国旅行支援

会見の概要は以下の通りです。

松野官房長官
医療DX推進本部の開催について申し上げます。
医療DXについては、我が国の医療の将来を大きく切り開いていくものであり、政府としても今年の骨太方針に盛り込み、その実現に全力を挙げていく考えであります。こうした観点から省庁横断的な取り組みを推進すべく、先ほど総理を本部長とする医療DX推進本部の第1回会合を開催しました。会合においては、総理よりスピード感をもって取り組むための工程表を策定するとともに、オンライン被保険者資格確認の用途拡大など、今すぐ取りかかれるものについては今度の経済対策に盛り込むべく検討するよう指示がありました。来年春までに工程表を策定し、医療DXを強力に推進実現すべく、関係省庁が緊密に連携して取り組んでまいります。
私からは以上です。

――円相場について。

12日の東京外国為替市場は円が下落し、約24年ぶりに1ドル146円台を付けた。政府・日銀が為替介入した145円90銭よりも円安が進んだ形だが、政府としての受け止めを伺う。また今後の対応について再度の介入も選択肢になるのか。

松野官房長官
日々の為替相場の動きについて逐一コメントすることは差し控えたいと思いますが、いずれにせよ、引き続き、為替市場の動向を高い緊張感を持って注視するとともに、過度な変動に対しては適切な対応をとりたいと考えています。

――関連。

円安が進行し、鈴木財務大臣が昨日の会見で、現在の為替市場は「ドル独歩高」にあって、今回のG20で「金融引き締めの影響が世界経済に及ぼす影響があることも議論となるのではないか」と見通しを述べた。G20会合からドル高是正で何も出てこなかった場合、より円安が進行する可能性もあるが、先ほどの質問にもありましたが、為替介入に関する政府の見解を。

松野官房長官
G20の結果について現時点で予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。いずれにせよ、先ほど申し上げた通り、過度な変動に対しては適切な対応をとりたいと考えております。

――旧統一教会の問題について伺う。

旧統一教会の被害者救済に取り組む弁護団が11日、法務大臣や文科大臣などに対し、教団の解散命令を裁判所に請求するよう求める申し入れ書を郵送した。
弁護団としては、組織的な不法行為がこれまでに民事訴訟で認定されていて解散請求はできるはずだと主張しているが、政府としての対応は。

松野官房長官
報道については承知をしていますが、文部科学省等において申し入れの文書を受領したとの報告は受けておらず、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
一般論として申し上げれば、宗教法人の法人格を略奪するという極めて重い対応である解散命令の請求について、信教の自由を保障する観点から判例もふまえ慎重に判断する必要があると考えていますが、社会的に問題が指摘されている団体に関しては、政府としては宗教法人法を含め、関係法令との関係を改めて確認しながら厳正に対応してまいりたいと考えております。

――ウクライナ情勢について。

ロシア軍は11日もウクライナ各地で大規模なミサイル攻撃を行い、市民の犠牲が増え続けている。国連人権高等弁務官事務所の報道官は国際人権法違反の可能性があると指摘しているが、政府見解を伺う。また新たなG7首脳声明では、ウクライナ国民が冬を越すための準備も支えるとされた。今後の政府対応についてもあわせてお聞きする。

松野官房長官
ロシアの攻撃により、ウクライナ各地において多くの市民が犠牲になっていることを極めて深刻に受けて今受け止めています。民間人や民間施設への攻撃は国際人道法違反であり、断じて正当化できません。強く非難をいたします。
昨日のG7首脳テレビ会議では、ウクライナの民主的で繁栄した未来を確保するため、引き続き、G7で結束していくことを確認しました。G7をはじめとする国際社会と緊密に連携し、ロシアに対して即時に侵略を停止するよう改めて強く求めていくとともに、引き続き、強力な対ロ制裁およびウクライナ支援の二つの柱にしっかりと取り組んでいく考えであります。
日本はこれまでウクライナおよびその周辺国等、影響を受けた関係国に対し、約11億ドルの人道、財政、食料関連の支援を表明し、越冬支援を含め、順次実施をしています。今後ともG7各国等と連携しつつ、人道および復旧支援について、積極的に役割を果たしていく考えであります。

――関連。

政府としては今回のミサイル攻撃などでウクライナ情勢は一段階深刻度が増したとの認識でしょうか。

松野官房長官
戦況の見通しについて、確定的な評価や予測を申し上げることは困難でありますが、いずれにせよ、国際社会が長きにわたる懸命な努力と多くの犠牲の上に築き上げてきた国際秩序の根幹が、ロシアのウクライナ侵略により脅かされています。平和秩序を守り抜くため、G7をはじめとする国際社会と結束をして、確固たる決意で対応していく必要があると考えております。

――土地利用規制法の特別注視区域や注視区域の候補地について、昨日政府は5都道県の計58か所を示しましたが、尖閣諸島など南西諸島は入りませんでした。尖閣諸島周辺では中国公船が領海侵入を繰り返すなど安全保障上重要な地域ですが、今回対象とならなかった理由、また今後の指定の可能性について伺います。

松野官房長官
昨日第 2 回の土地等利用状況審議会が開催され、政府側から初回の区域指定の候補として、北海道、青森県、東京都、島根県、長崎県に所在する国境離島等および重要施設を提示したものと承知しています。初回の区域指定は無人の国境離島を中心に、準備が整ったものから実施することとしており、南西諸島の島々をはじめ、今回提示したもの以外の離島や施設については、区域指定の対象となるかどうかを含め引き続き検討を進めるものと承知しています。

――NISA拡充について。

税制改正の焦点の一つがNISA拡充で岸田政権も推し進めたい考えだが、NISAの普及状況について政府はどう認識しているか。

松野官房長官
2022年3月末時点におけるNISA口座数は一般NISAおよび積立NISAの合計で約1700万口座となっています。政府としては、長期間積み立てながら、分散投資を行う安定的な資産形成を後押しするため、さらなる利用拡大に向けて、取り組んでいくことが重要であると考えています。このため、個人金融資産を全世代的に貯蓄から投資にシフトさせるべくNISAの抜本的拡充を図ることとしており、今後の税正改正プロセスにおいて、議論を深めてまいりたいと考えております。

――JAXAのイプシロンロケットの打ち上げについて伺う。

宇宙航空研究開発機構JAXAはイプシロン6号機について打ち上げた直後に指令破壊信号を出した。政府として把握している事実関係と受け止めについて。

松野官房長官
本日9時50分頃にJAXA内之浦宇宙空間観測所より、イプシロンロケット6号機が打ち上げられました。打ち上げ後機体を破壊する指令破壊がなされたと聞いております。現在、JAXAにおいて詳細について確認中と聞いており、追ってJAXAから報告がなされるものと承知しております。詳細については文科省にお問い合わせをいただきたいと思います。

――全国旅行支援について、一部の予約サイトで、予算上限に達し予約の受付を終了した自治体も出ている。自治体の予算の配分次第では予約の再開が見込めない可能性も見込まれるが政府としての受け止めや追加措置を取る考えはあるのか。

松野官房長官
全国旅行支援の実施にあたっては実施主体である都道府県が、各予約サイトや宿泊施設等に対し予算の配分を行っており、一部においてその額の上限に達したため受付を終了したところがあるものと承知しています。
こうした事態に対応し、販売実績において事業者間の予算配分の見直しや追加配分を行うよう国交省から都道府県に対して促しているものと聞いています。また、国から都道府県に対する追加配分についても事業の進捗状況を踏まえながら、必要に応じて国交省において適切に対応するものと考えています。いずれにせよ、全国旅行支援の円滑な実施が図られるよう努めて参りたいと考えております。

以上

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