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聖火リレー意識?2週間“延長”判断の背景

2021年3月3日 20:28
聖火リレー意識?2週間“延長”判断の背景

政府は首都圏1都3県に発出している緊急事態宣言について、期限を2週間延長する方針を固めました。菅首相は記者団の取材に応じ、これを説明しました。判断の背景や会見の真意について、山崎大輔記者が解説します。


Q:今回はどのような会見?
A:菅首相は夕方から宣言延長について関係閣僚と協議し、その協議内容を菅首相自身が説明したもの。「2週間程度の延長が必要だと“私は考えている”」ということを強調していた。閣僚と相談した結果、菅首相としては、病床が逼迫していて厳しい指標もあるため2週間程度の延長が必要だと考えている…ということを国民に説明した形。あくまで首相自身がそう考えていて、このあと1都3県の知事の意見や専門家の意見を聞いた上で判断する、という説明になっていた。政府は、5日(金)に諮問委員会や対策本部を開いて正式決定する方針。

Q:国会などで事前に「私自身が判断する」という発言があった中で、「私はこう思っている」というこの会見の真意はどこにある?
A:1都3県の知事や、また専門家に意見を聞く前に方針を「決定」と発表はしないと配慮した形だ。

Q:先週の金曜日から数えて、平日で言うと4日連続でこの「ぶら下がり」と呼ばれる簡易会見に応じているが?
A:先週の金曜日に会見を急きょ取りやめたことで「広報官隠し」ではないかなどと批判を浴びた。「ぶら下がり」に応じることで、首相から丁寧に説明しようという姿勢は感じられる。また延長を正式決定する金曜日も会見を予定している。

Q:首相自身が自分の判断で決めると言った上で、「今私はこう思っている」と言ったわけだが、事実上「2週間の延長」というのはほぼ決定と考えてもいいのか?
A:政府としては、2週間程度の延長の方針を固めたということだ。ただ自民党幹部は、1都3県の知事に配慮して、(知事らの意見を聞く前なので)このような言い方になったと話していた。
また2週間という延長幅について、ある与党幹部は3月25日の東京オリンピック・パラリンピックの聖火リレーのスタートを意識していると話している。2週間以上延長すると、解除できなくなるのではないかとも話していた。