元陸自女性自衛官への性暴力 陸自隊員5人免職処分
防衛省は15日、元陸上自衛官の五ノ井里奈さんに対し、性暴力を含むセクハラ行為を行っていた陸上自衛隊の隊員5人を「免職」の懲戒処分にしたと発表しました。
元陸上自衛官の五ノ井さんは今年6月まで所属していた福島県・郡山駐屯地の部隊で、複数の男性隊員から性被害を受けたと訴え、防衛省は、今年9月、「セクハラ被害」があったことを認め、謝罪しています。
こうした中で、防衛省は15日、五ノ井さんに対するセクハラ行為に関する調査結果を公表しました。調査結果によりますと、去年6月、演習場で野営をしていた際、3人の男性隊員が五ノ井さんの胸を触るなどしました。
また別の男性隊員は、訓練後の車中で、五ノ井さんを含む複数の女性隊員に対し、服を脱ぐよう促す発言をしたということです。
さらに、去年8月には演習場の宿泊施設で隊員が五ノ井さんを押し倒して覆いかぶさり、性的な接触を行ったということです。
このほかにも、日常的に男性隊員が抱きついたり、性的な接触を行っていたことが報告されています。
防衛省は性暴力を含むセクハラ行為を行ったとして40代の1等陸曹1人、30代の2等陸曹1人、20代から30代の3等陸曹3人の合わせて5人を「免職」の懲戒処分にしました。
また、五ノ井さんからの被害の訴えを受けたにもかかわらず「訓練の忙しさ」を理由に事実関係の調査を行わなかったなどとして、当時、中隊長だった30代の1等陸尉1人を「停職6か月」の懲戒処分にしました。
防衛省は性暴力を行った5人の隊員について、「本人の特定にあたる」として氏名などは公表していません。1つのセクハラ事案で5人もの免職が出るのは初めてです。