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北朝鮮がミサイル3発発射 中露も爆撃機を… “挑発”続く

2022年5月25日 21:16
北朝鮮がミサイル3発発射 中露も爆撃機を… “挑発”続く

韓国政府は、北朝鮮が25日朝、ICBM(=大陸間弾道ミサイル)を含むミサイル3発を発射したと明らかにし、岸防衛相は、明らかな挑発行動だと非難しました。また、24日には、クアッド首脳会合の最中に、中国とロシアの爆撃機が日本の防空識別圏を飛行するなど、緊張が高まっています。

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国際社会からの度重なる非難にもかかわらず、弾道ミサイルの開発を続ける北朝鮮。25日もICBM(=大陸間弾道ミサイル)を含む複数のミサイルを発射しました。

政府は早朝から情報の確認に追われました。

韓国軍によると発射された弾道ミサイルは3発で、午前6時頃から6時40分頃にかけて、平壌の順安から日本海上に向けて発射されました。

韓国大統領府は1発目はICBM「火星17」だとみています。2発目・3発目については、変則的な軌道での飛行が可能な短距離弾道ミサイルと分析していますが、2発目は飛行中に消失したということです。

また、日本の防衛省は、最初の1発は最高高度およそ550キロメートルで300キロメートル程度飛行、ほかの1発は低い高度(約50キロメートル)を変則的な動きでおよそ750キロメートル飛行したとしています。

ミサイルは、いずれも日本の排他的経済水域の外に落下したと推定され、航空機や船舶への被害は確認されていません。

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日米首脳会談や日米豪印4か国による「クアッド」首脳会合などが開催された直後に発射された北朝鮮の弾道ミサイル。

岸防衛相は強く非難し、北朝鮮側に抗議したことを明らかにしました。

岸防衛相(25日午前8時頃)
「このようなミサイルの発射は明らかに挑発行動であり、断じて許されません」

また、韓国軍は、兵器を搭載した多数の戦闘機が滑走路に展開する“エレファントウオーク”と呼ばれる訓練の映像を25日に公開しました。さらに、在韓米軍と共に地対地ミサイルの実弾射撃訓練を行い、さらなる挑発をけん制しました。

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日本周辺での軍事的な動きは中国とロシアでも起きています。

ロシアの国防省が公開した映像には、大型の爆撃機が離陸していく様子が映っていましたが、この後、合流したのは中国の爆撃機です。

日本でクアッド首脳会合が開かれていた24日午前から午後にかけ、ロシア軍の爆撃機が中国軍の爆撃機とともに飛行したのです。日本の防空識別圏にも入りながら、日本海から東シナ海、さらに沖縄本島と宮古島の間などを通過しました。

このように中露の爆撃機が一緒になって日本の周辺を飛行したのは、2019年以降4度目になりますが、岸防衛相は、クアッド開催国である日本に対する示威行動であり、これまでより挑発度を増しているなどと強い言葉で非難しました。

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こうした中、防衛費の増額を表明している岸田首相は、25日の国会で、野党から増額の規模や時期などについて質問されましたが、これから検討するとしています。

岸田首相
「新たな安全保障戦略等の策定や、今後の予算編成過程を通じて検討してまいります」

そして、気になる情報が入ってきました。

25日、韓国大統領府は、北朝鮮による核起爆装置の作動テストを探知したと明らかにしました。一両日中の可能性は低いものの、核実験の最終準備段階に差し迫っているとしています。