「次の首相」首位に河野氏…「発信力」期待
次の首相が事実上決まる自民党総裁選。混戦模様で、様子見の国会議員も多くなっています。世論調査で「ふさわしい人」を聞くと、河野ワクチン担当相がトップに立ち、石破元幹事長、岸田前政調会長が続きました。それぞれの人の強みや動きを分析しました。
■河野氏に「発信力」期待
小野高弘・日本テレビ解説委員
「NNN・読売新聞世論調査(9月4~5日、全国有権者に電話調査、1142人が回答)で、次の首相に誰がふさわしいと思うかを聞くと、河野ワクチン担当相が23%でトップでした。石破元幹事長が21%、岸田前政調会長が12%と続きました」
「河野氏に期待することとして最も多いのが『発信力がある』でした。自身のツイッターフォロワー数は236万人もいます。自分の言葉で伝え、発信力があると評価されています」
「石破氏のツイッターのフォロワー数は19万人、岸田氏は3万7000人で、発信力が河野氏の人気の要因の1つだとは言えそうですね」
有働由美子キャスター
「確かに菅首相が、国民に対する伝え方、発信力がどうなのと言われているだけに、ですかね」
小野委員
「だから今、岸田氏なども発信力をアピールしていますよね。ただ、それぞれの人の何が魅力か、何に期待するかは、ちょっとずつ違います」
■石破氏「人柄」、岸田氏「改革」
小野
「『改革意欲』『政策』などの項目のうち、河野氏は『発信力』に期待が高く、40代までの若い世代からの期待が高いのが特徴です」
「石破氏は、『発信力』よりも『人柄が信頼できる』が最大のストロングポイントで、50代以上の人が最も期待を寄せています。岸田氏は、『改革意欲がある』がストロングポイントになっています」
有働キャスター
「確かにここに来て岸田さん、『改革』を打ち出していますよね」
小野
「8月には自民党役員任期を3年までと制限を設ける改革案を発表しました。今、新型コロナウイルス対策など次々と政策を打ち出していますので、ここへ来て改革イメージがアップしているようですね。石破氏は立候補するかどうかまだ考えているようで、河野氏と戦うのか、支持に回るのかを考えています」
■混戦模様で…国会議員“様子見”も
小野
「総裁選は、国会議員による投票と、全国の自民党員・党友による投票があります。383票ずつあり、その合計で決まります。党員・党友の票は国民の人気を反映する傾向にあるので、河野氏と石破氏は強いとみられます」
「焦点は国会議員の票です。自民党の衆院議員は今、当選回数が3回以下の若手が半数近くいます。選挙が盤石ではない人も多く、こうした若手議員が誰を総裁にしたいかというと、とにかく“選挙の顔”になってくれる人です」
「一方で、中堅ベテラン議員はその先の人事やポストも考えて、誰に投票すれば勝ち馬に乗れるかまで考えます。今回は混戦模様なので、様子見をしている議員も多いのが現状です」
有働
「党員・党友でない私たちは投票できないとしても、私たちがこの総裁選をどう見ているかは、気にしていますよね。だからこそ、名乗りを上げた人たちがコロナの中で私たちの暮らしをどうしていきたいと思っているのか、ここに関心を持つことが大事だと思います」
(9月6日『news zero』より)