静岡補選で自民敗北 衆院選に党内から懸念
岸田政権発足後、初めての国政選挙となる参議院の補欠選挙が行われ、自民党の候補が静岡選挙区で敗れました。衆院選の前哨戦として臨んだ戦いでの敗北。党内からは衆院選への影響を懸念する声があがっています。
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衆院選が6日後にせまる中、25日に大阪入りした岸田首相。
岸田首相(25日午前)
「多くの国民の皆さんの悩みや苦しみ。貴重なアドバイスを書きつづってきた…」
“岸田ノート”を手に懸命に支持を訴えました。
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終盤に入った選挙戦。
その前哨戦と位置づけられたのが24日に行われた2つの参議院補欠選挙です。
山口では自民党が勝利したものの、静岡では野党推薦の候補が勝利しました。自民党候補はおよそ5万票の差をつけられ敗北したのです。
岸田首相(25日朝 赤坂議員宿舎)
「残念な結果でありますが、この結果については県民の皆さんのご判断を厳粛に受け止めたいと思っています」
岸田政権発足後、初めての国政選挙となった今回の補欠選挙。岸田首相は7日、就任後初めての地方訪問に静岡を選び、さらに21日にも、てこ入れのため再び静岡入りしました。
岸田首相(21日)
「どうか皆さん、日本の未来をしっかり切り開きましょう」
首相が短期間で2回も応援に入るのは異例で、まさに党をあげて臨んだのです。
もともと自民党が持っていた議席をめぐる選挙。“勝たなければならない戦い”で負けたことについて、岸田首相は…
岸田首相
「様々な要因の積み重ねによって、こうした結果になったと受け止めています。いずれにしろ衆議院選挙の方は今、選挙が続いています。気持ちを引き締めて、この政権選択選挙である衆議院選挙に向けて努力を続けていきたいと思っています」
衆院選への意気込みを語りましたが、党内からは衆院選への影響を懸念する声が広がりました。
自民党幹部
「岸田総理が2回も静岡に入ったのに負けると、やっぱり選挙の顔にはならないという印象が強くなる」
自民党議員
「衆院選の激戦区の情勢にも影響しかねないよね。この1週間でドミノにならないように各選挙区引き締めないと」
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一方、勢いづく野党は、衆院選で攻勢をかける足がかりとしたい考えです。
立憲民主党 枝野代表(25日)
「しっかりともう一つの選択肢があるということを総選挙で訴えていけば、多くの皆さんのご理解とご支援が得られるんじゃないかと、勇気づけられる結果だったと思います」
国民民主党 玉木代表(25日午前)
「岸田内閣発足のご祝儀相場がほぼ消えさっているなというのを日に日に感じてきましたので、ぜひ我々、政策をしっかり訴えて、野党が勝利を、国民民主党が勝利を収めることができる衆議院選挙にしていきたい」