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【政治解説】“首相襲撃”事件で支持率上昇?解散への影響は…「広島サミット後」の声も

2023年4月18日 22:00
【政治解説】“首相襲撃”事件で支持率上昇?解散への影響は…「広島サミット後」の声も

岸田内閣の支持率が47パーセントと、7か月ぶりに“不支持”を上回りました。データを分析すると、支持率アップの背景には“首相襲撃”事件が影響した可能性も見て取れます。支持率の回復は岸田首相の解散戦略にどう影響するのか?日本テレビ政治部の竹内デスクと、菅原解説委員が解説します。

■“首相襲撃”事件の前後でデータを見ると?

竹内デスク:
NNNと読売新聞の世論調査で、岸田内閣の支持率は前の月より5ポイント上がり、47%となりました。“支持しない”は37%で、“支持”が10ポイントも上回りました。“支持”が上回ったのは、2022年の9月以来7か月ぶりです。

竹内デスク:
支持率アップの要因はいろいろありそうですが、可能性としては、今回の岸田首相の演説直前に爆発物が投げ込まれた事件の影響が考えられます。実は、調査を分析したところ、事件前までの集計では支持率は4割台の前半だったのに、この事件が起きた後の分だけを集計しますと5割台に達していたと言うんです。

菅原解説委員:
これは、なにか同情票のようなことでしょうか?

竹内デスク:
その可能性もあります。それと、やはりこの事件が起きて、岸田首相のニュースへの露出が普段の土日に比べて圧倒的に増えましたので、そうした効果もあるかもしれません。

■支持率回復で衆院解散は?「広島サミット後」の声も

竹内デスク:
そして、支持率が回復したということは、大きな意味を持ちます。私がずっと取材をしている自民党の選挙を担当する職員は、かねてから「内閣支持率が不支持を上回っていないと衆議院の解散はうてない」というふうに言っていました。岸田首相のことを“嫌い”だという人よりも“好き”という人が多くなければ、解散はできないという、当たり前のことなのですけれども、去年、岸田政権は“統一教会”の問題が起きてから支持率が下がり続け、9月を最後にいわゆる不支持、“嫌い”だという人の方が“好き”を上回る状態が続いていたわけです。それが今回、ついに“好き”という人の方が多くなったわけですから、解散に踏み切る条件がひとつ整ったということが言えそうです。

総理の側近中の側近に聞いたところ、「そんなに簡単じゃないよ。一寸先は闇だ」というふうに否定はしていましたけれども、政界ではこれで解散が近くなったのではないかと、皆が疑心暗鬼になり始めています。

菅原解説委員:
日程の整理をしたいと思うんですけれども、衆議院議員の任期が2025年、再来年の10月です。その前に岸田首相の自民党総裁としての任期が来年2024年の9月、そして今の国会の会期末が、延長がなければ今年の6月21日で、5月にはG7広島サミットがあります。もちろん国会の会期内でないと(基本的には)解散はできませんので、サミットの後ぐらいに“解散”ではないかという話がかなり出てきてますよね。

竹内デスク:
そうですね。サミットは総理の外交成果をアピールする場になるとみる野党議員からは、「このままいけば解散だろう。G7サミットが終わったタイミングじゃないか」「こんないい状況はないのでは。サミットがあるから解散するでしょう」と戦々恐々とした声も上がっています。

一方、政府関係者は、「どうかな。まだようやくちょっと回復してきたというところだから」と煙に巻いている感じなんですけれども、広島サミットが終わったタイミングで解散をうつのではないかという見方は政界に多いんです。

竹内デスク:
最後は総理の決断ですけれども、今回の世論調査で岸田内閣の外交への取り組みを評価する人も多かったことから、果たして、岸田総理はサミットの後に衆議院を解散をするかしないか、ここは大きな注目点となります。