国交省“書き換え”野党「改ざんそのもの」
今年度の補正予算案の審議が16日から参議院で始まりました。国土交通省による統計書き換え問題を巡り、野党側は「改ざんそのもの」だと批判しています。
◇
16日から参議院で始まった補正予算案の審議。野党側が追及したのは、GDP(=国内総生産)の算出に影響する「基幹統計」の1つ「建設工事受注動態統計」で行われた“書き換え”の問題です。
立憲民主党・白真勲議員
「書き換えが行われた事実が、明らかになった件につきまして」
建設業者が毎月の受注実績を調査票に記入し、都道府県が回収、それを国交省が集計するこの統計。
都道府県がどのような書き換えの指示を国交省から受けていたのか、都の担当者に見せてもらうことができました。
東京都の担当者
「毎月ご記入頂くことになっているのですが、出しそびれてしまって、翌月に前月分も提出頂くというケースもあります」
業者から数か月分の調査票が一度に届いた場合――
東京都の担当者
「こちらは消します」
期限までに届かなかった月の受注額を消して合算。最新の1か月分として書き換えていました。
その一方で、国交省は期限までに届かなかった月に推計の受注額を計上していたため、結果的に、金額は二重に計上されていたのです。
立憲民主党・白真勲議員
「これ原票を消しゴムで消したらまずいんじゃないですか。子供にもこんなこと恥ずかしくて言えませんよ。当たり前の話じゃないですか。これ改ざんそのものだと思いますよ」
岸田首相
「現場でどのようなことが具体的に行われていたか、これは私は直接承知しておりませんが、これはもう大変遺憾なことであり、この経緯やあるいはこの原因、こういったものをしっかりと検証を行い、再発防止を行い、そして信頼回復に繋げなければならない」
岸田総理は、原因究明のため、検事経験者や弁護士などからなる第三者委員会を設けるとともに、1か月以内に結論を出すよう、斉藤国交大臣に指示しました。
一方で、GDPへの影響について、山際経済再生担当大臣は「間接的にGDP統計にも影響が及ぶ可能性はありますが、その影響の程度は仮にあったとしても、現時点では軽微と考えております」と述べ、GDPへの影響はほとんどないと強調しました。