Jアラート「日本を通過」も......実際は通過せず“レーダーから消失”防衛省と内閣官房の説明「食い違い」ナゼ?
北朝鮮が3日にミサイルを発射し、Jアラート(全国瞬時警報システム)が発令されました。実際は日本上空を通過しなかったものの「通過した」と速報され、レーダーから消失していたことが分かりました。背景には防衛省と内閣官房の連携不足があるとみられます。
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■内閣官房がJアラートを出す仕組み
有働由美子キャスター
「いち早く危険を知らせるためにJアラートが出されたことは良いことですが、その内容には課題があります。今回はミサイルが日本列島上空を実際は通過していなかったのに『通過したとみられる』と発表されました。どうしてこんなことになったのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「『大丈夫なの?』と思いますよね。そもそも防衛省は『ミサイルが飛んだ』と覚知すると、いつどこに落下するかを自動計算で割り出します。この情報は自動的に内閣官房と共有されます。これをもとに内閣官房がJアラートを出して、私たちに伝わる仕組みです」
「今回、内閣官房の担当者は『防衛省の情報を基に、ミサイルが通過したとみられると発表した』と話しています」
小栗委員
「防衛省によると、防衛省が伝えた落下予測時刻などを基に、内閣官房の判断で『通過したとみられる』と出したのだろう。通過したことを確認したわけではない、と説明しています」
■元自衛隊幹部「共有していたはず」
有働キャスター
「説明が食い違っていますよね」
小栗委員
「ポイントは、実際には通過せずに『消失した』という情報です。元自衛隊の幹部は『防衛省としては軌道をレーダーで逐一確認しているので、Jアラートの通過情報よりも前に消失していたと把握していた。内閣官房とも共有していたはずだ』と指摘しています」
「ただ、内閣官房の担当者は『消失情報は、Jアラートが発表された1時間以上後の午前9時ごろ初めて知った』と話しています」
有働キャスター
「つまり防衛省と内閣官房の情報のやり取りがうまくいっていなかったということですね」
■「国民の命を守る」判断...連携密に
小栗委員
「情報をいかに一元化して国民に伝えるかは大きな課題です。官邸関係者は『毎回Jアラートに問題があるように言われるとオオカミ少年のように見えてしまう。システムの調査・検討はしないといけない』と話しています」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「いろんな人が短い時間のなかで判断しないといけないプレッシャーもあって大変だなと思いましたが、本当に一大事の時に国民に迅速にアクションしてもらうためにはきっちりと連携してもらわないと困りますね」
有働キャスター
「1分1秒を争うJアラートです。連携がうまくいかなかったのなら、何が原因なのかしっかり究明して、国民が理解できる言葉できちんと教えてほしいです」
(11月3日『news zero』より)