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【全文】野党提出の被害者救出法案「人権侵害となってしまう可能性」松野官房長官(10/21午後)

2022年10月21日 18:20
【全文】野党提出の被害者救出法案「人権侵害となってしまう可能性」松野官房長官(10/21午後)

松野官房長官は、21日午後の会見で、野党が提出した、いわゆる統一教会の被害者を救済するための法案について「人権侵害となってしまう可能性があるといった課題がある」と指摘しました。

<会見トピックス>
▽新型コロナ対策
▽"統一教会"被害者救済法案
▽山際大臣と"統一教会"の新たな接点
▽日豪首脳会談

会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
冒頭発言はございません。

――新型コロナ対策について伺います。全国の新規感染者数が増加に転じていまして、専門家からはいわゆる第8波が起きる可能性が非常に高いという指摘が出ています。今後の感染動向について、政府としても同様の認識なのか、気温が下がり年末年始を迎える中、どのような対策を講じていく考えなのか伺います。

○松野官房長官
新型コロナについて、直近1週間の新規感染者数は、ほぼ全ての地域で増加に転じており、今後の増加速度や増加が継続するかについて、注視する必要があります。また、今後について、専門家からは、気候の状況等にも留意が必要との指摘があるほか、社会経済活動の活発化が、感染状況に与える影響にも注意が必要と考えています。この冬に向けては、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行の懸念があることから、限りある医療資源の中で適切な医療を提供できるよう、都道府県において、11月中の外来医療体制の整備をお願いしているところであります。また、希望する全ての対象者が年内にワクチン接種を受けられるよう、自治体と連携しながら、接種体制の整備やワクチン接種に関する周知・広報に取り組んでまいりたいと考えております。

――旧統一教会被害救済法案について伺う。旧統一教会問題を巡る被害者救済に関する与野党協議会の会合が本日開催された。野党側はすでに提出した議員立法をベースにした法案作成を図りたい考えだが、それに盛り込まれた献金の上限規制や被害者家族ら第三者が献金を取り戻せる手続きを巡り、宗教法人が献金者の年収を把握することへの懸念や財産権の制約に繋がる問題も指摘されている。この点について政府の見解を伺います。

○松野官房長官
提出法案については国会でご議論いただくものであり、政府としてコメントは差し控えたいと考えていますが、総理が国会で答弁した通り、野党提出法案については困難状況惹起行為の定義が曖昧であり、救済されるべき被害者をしっかりと救済対象として捉えられるのかといった懸念や、第三者が契約等を取り消すことができる特別補助制度は、精神上の障害による判断能力の低下といった事情がないものについても、本人の同意なく憲法上の財産権が制約されるといった点があります。人権侵害となってしまう可能性があるといった課題があると承知をしております。

――政府は法整備に向けて消費者庁など関係4省庁による検討チームを発足させましたが、与野党協議会とどう連携を図っていくお考えでしょうか。また、政府として救済法案について、閣法と議員立法、どちらを念頭において、今後作業するお考えかも合わせてて伺います。

○松野官房長官
ご指摘の与野党協議会では悪質な被害献金などを救済するために、今国会中の法案の成立を期すことが合意されたと承知しています。現在、消費者庁において、先日公表された霊感商法検討会の提言を踏まえ、早急に法案の検討を進め、この臨時国会を含め、準備ができたものから提出できるよう作業を進めているところであります。

――山際大臣が本日の会見で2019年の旧統一教会のトップと愛知県内で会っていたことを明らかにしました。SNS上で出回った写真に一緒に写っていたということで山際氏が確認したということです。教団側との接点についてはこれまでも報道などの指摘を後追いするように事実を認める対応を繰り返してきたが政府として何らかの対応を取る必要はないか。

○松野官房長官
政府における旧統一教会との関係については、各閣僚等それぞれが点検し、旧統一教会との過去の関係を調査・説明し、新たな接点が判明した場合には、その都度、追加的に報告説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底することとしていところであります。この方針に沿って、引き続き、説明を尽くして行くことが重要と考えています。

――関連して、接点が発生した場合は追加的に適切に報告するとのことだが、現在、山際大臣の説明は適切に行われているという認識か。

○松野官房長官
先ほど申し上げた方針に沿って各閣僚等がそれぞれ点検をし、引き続き説明を尽くしていくことが重要であると考えています。

――日豪首脳会談について。アルバニージー首相は5月の就任直後に訪日し、9月の安倍元首相の国葬にも参列するなど、半年足らずで2度来日した。今回の岸田首相の訪豪を通じ、防衛やエネルギー協力の深化に加え、両国首脳間の個人的信頼関係の構築をどう図っていくか。

○松野官房長官
我が国にとり豪州は自由や民主主義といった基本的価値に加え、戦略的利益を共有し、また日本経済にとっても資源エネルギー分野を含め、重要な国であります。本日、総理が述べた通り、今回の豪州訪問では、安全保障、防衛協力の強化、自由で開かれたインド太平洋、資源エネルギーを中心に議論を行う予定と承知をしています。アルバニージー首相とのこれまでの4回の首脳会談で培われた信頼関係の上で率直な議論が行われるものと考えています。