【全文】総合経済対策「思い切ったものとしていく」松野官房長官(10/19午前)
松野官房長官は、19日午前の会見で、総合経済対策について「中身も規模も経済的な効果を勘案しながら思い切ったものとしていく」と改めて強調しました。
<会見トピックス>
▽ウクライナ情勢
▽総合経済対策
▽宗教法人法「解散命令請求」要件
会見の概要は以下の通りです。
○松野官房長官
岸田総理は諸般の事情が許せば、10月21日から23日までオーストラリア西部のパースを訪問しアルバニージー首相との間で首脳会談を行う予定であります。日本とオーストラリアは、基本的価値と戦略的利益を共有する特別な戦略的パートナーであり、自由で開かれたインド太平洋に向けた同志国連携の中核であります。今般の岸田総理のオーストラリア訪問を通じ、両国間の安保防衛および経済面での協力関係の更なる深化や自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携の一層の強化を目指します。
――ウクライナ情勢について伺います。
キーウなど各地でロシア軍による攻撃が続き、発電所などインフラ施設の被害が深刻になっています。政府としての見解を伺います。
また現地の松田大使がウクライナ側にエネルギー関連施設の復旧を支援する意向を伝えたということですけれども、日本政府として具体的にどのような支援をどう行っていく方針なのかお聞きします。
○松野官房長官
首都キーウをはじめとするウクライナ各地でロシアによる攻撃が継続して行われ、ゼレンスキー大統領が10月10日以降、ウクライナの発電所の30%が破壊され、国中で大規模な停電が発生していると表明しているように、インフラ施設にも被害が出ていると承知をしています。
我が国としてロシアの攻撃により、各地で多くの市民が犠牲になっていることを極めて深刻に受け止めています。民間人や民間施設への攻撃は国際法違反であり、断じて正当化できないものであり、強く非難します。我が国はG7をはじめとする国際社会と緊密に連携し、ロシアに対し即時に侵略を停止し、部隊をロシア国内に撤収するよう改めて強く求めていきます。
加えて、冬の厳しい寒さが待ち受ける中で、ウクライナの人々に寄り添った支援を実施していくべく、ウクライナ側と日々、緊密にやりとりを行っており、10月17日に松田大使がエネルギー大臣と意見交換を行ったところであります。我が国として、先日の電話会談で岸田総理からゼレンスキー大統領にも伝えたように、引き続き、ウクライナとの連帯を堅持し、ウクライナ政府及び国民を支援をしていきます。
――総合経済対策についてうかがう。
自民党の萩生田政調会長が昨日、総合経済対策に向けた提言を提出した。萩生田氏は15兆円の需給ギャップを埋めて済まされるようなものは経済対策とは言わないと述べ、昨年の補正予算の30兆円を目安に積み上げていく考えを示している。与党からこうした声が出ていることを踏まえ、規模感について政府の見解を伺う。
○松野官房長官
経済対策の規模については様々なご意見があると承知しています。総理も述べられている通り、経済対策については与党とも連携しながら国民生活に高い効果のある具体的政策を積み上げ、中身も規模も経済的な効果を勘案しながら思い切ったものとしていく考えであります。
――岸田総理は参議院予算委員会で、宗教法人法に基づく解散命令請求の要件について、民法の不法行為も入り得るとの考えを示した。昨日までの答弁を修正した形だが、政府として判断を変えた理由を伺います。
○松野官房長官
これまでは宗教法人の解散命令の要件として、東京高等裁判所が示した刑法等の実定法規の定める禁止規範、または命令規範について、刑法など罰則により担保された実定法規が典型例として解釈していたところであります。この東京高裁決定はオウム真理教に対する解散命令という個別事案に沿って出されたものであります。その上で、本日参議院予算委員会で総理が答弁された通り、旧統一教会を巡る近年の裁判例や相談の状況等を踏まえ、改めて考え方を整理した結果、今後個別の宗教法人について解散命令請求を検討するにあたっては、報告徴収、質問権を行使して把握した事実関係等を踏まえ、東京高裁決定に示されている内容を参考に行為の組織性、悪質性、継続性等をその個別事案に応じて判断すべきであり、この点について考え方を見直したものであります。
――関連して。
答弁の修正は解散命令請求の前段または解散命令請求に一歩近づいたという政府の認識なのか。
○松野官房長官
今後、報告徴収、質問権を行使して把握した事実関係等を踏まえ、東京高裁決定に示されている内容を参考に、行為の組織性、悪質性、継続性等をその個別事案に応じて判断をしていくということであります。
――関連。
昨日の衆議院予算委員会では、民法の不法行為は入らないと総理が答弁していて、一夜にして答弁を一転させているが、衆議院の予算委員会から統一した答弁を出来なかったのは何か理由があるのか
○松野官房長官
先ほど申し上げた通りでございますが、旧統一教会を巡る近年の裁判例や相談の状況等を踏まえ、政府において改めて考え方を整理した結果、個別の宗教法人について解散命令請求を検討するにあたっては、東京高裁決定に示されている内容を参考に行為の組織性、悪質性、継続性等、個別事案に応じて判断すべきであると考えた結果であります。
――その考え方の整理を衆院予算委員会から答弁できなかった理由っていうのは何かあるのか。
○松野官房長官
今回の参議院の委員会においての総理答弁は先ほど申し上げた経過の中において、されたものであります。