【全文】Jアラート遅れ「システム改修など改善策を検討」松野官房長官(11/4午前)
松野官房長官は、4日午前の会見で、政府が3日に出したJアラート(全国瞬時警報システム)に、いくつかの課題が出てきたことを受け、システムの改修など改善策を検討していることを明らかにしました。
<会見トピックス>
▽北朝鮮弾道ミサイル分析
▽北朝鮮の更なる挑発行為
▽米韓合同訓練延長
▽国連安保理緊急会合
▽Jアラート
▽日中首脳会談
会見の概要は以下の通りです。
○松野官房長官
閣議の概要について申し上げます。
一般案件等10件、人事が決定をされました。
私からは以上でございます。
――北朝鮮の軍事動向について伺います。昨日、日本海上空でレーダーから消失したものなど最新の分析情報のほか、北朝鮮が米韓の大規模訓練への強い反発を示す中、核実験などさらなる挑発行為が行われる可能性についての認識と、今後の対応をお聞きします。また、アメリカやイギリスなどは、国連安保理の緊急会合の開催を要請したということですが、何を期待するかあわせてお聞きします。
○松野官房長官
北朝鮮が昨日発射した弾道ミサイルについては、すでに防衛省から発表した通りであり、 これ以上の詳細については、現在防衛省において、分析を進めているところであります。日本列島を越えて飛翔する可能性があると探知をしましたが、その後日本列島を越えず、日本海上空にてレーダーから消失したことが確認された旨を公表してるものについても、同様に分析中であります。米国及び韓国は戦闘体制及び、相互運用性の向上を目的に、10月31日から実施している空軍の合同訓練の訓練期間を延長することを決定したと承知をしております。在韓米軍を含むアジア太平洋地域の米軍の抑止力は、地域の平和と安定に不可欠なものであり、また、米韓の連携向上は地域の平和と安全を確保していく上で重要であると認識をしています。北朝鮮が今般の米韓合同訓練への反発を表明していることは承知をしています。政府としては、核実験の実施を含め、北朝鮮がさらなる挑発行為に出る可能性はあるものと考えていますが、北朝鮮の今後の動向について、予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。政府としては、国民の生命、そして平和な暮らしを断固として守る決意であり、引き続き、必要な情報の収集、分析および警戒監視に全力を挙げてまいります。安保理会合については、日米間で連携しつつ、その開催を求めたものであり、我が国は安保理理事国ではないこともあり、安保理内の調整状況を予断することは差し控えたいと思いますが、北朝鮮による最近の一連の発射を受けて、米国等と引き続き、緊密に連携しつつ、中ロを含む安保理理事国には、安保理が国際の平和と安全の維持という本来の責任を果たすことを求めていく考えであります、いずれにせよ、我が国としては、米国をはじめとする国際社会と協力しながら、北朝鮮に対し、安保理決議のもとでの全ての義務に従うことを求めていくとともに引き続き、安保理の動向を強い関心を持っていきます。
――きのう8時の時点で「ミサイル通過、太平洋へ通過したとみられる」というJアラートが発信されたが、その後、ミサイル通過はなかったと訂正があった。ミサイル通過という発信はどういう流れで出たものなのか。防衛省から内閣官房にミサイル通過という情報がもたらされたということなのか。時系列を含めて伺います。
○松野官房長官
Jアラートは、国民の皆様にミサイルの落下物等の危険性を速やかにお知らせするべく発令するものでありその危険性があれば、発令するものと認識をしています。3日の弾道ミサイル発射事案については、日本列島を越えて飛翔(ひしょう)する可能性があるものを探知した旨、防衛省から伝達があり、その後、今回探知したものがレーダーから消失した可能性もある旨の伝達もありました。その段階において、国民に危険性を速やかにお知らせすることが適切と判断されたことから、JアラートおよびEm-Netで、その旨を公表しましたが、その後、結果的にミサイルは日本列島を越えていないことが確認されたところであります。なお、詳細な時系列については、我が国の情報収集能力を明らかにすることになることから、お答えは差し控えたいと思います。
―― 午前7時50分のJアラートで「上空通過の可能性」と発信したが、2回目のJアラートでは「7時48分ごろに通過」と伝えていました。迅速な避難につなげるため、Jアラートの検証やシステム改善を検討する考えはあるのでしょうか。また、検討する場合はそのスケジュール感も伺います。
○松野官房長官
今回探知したものについては様々な情報がもたらされる中で、可能な限り速やかにJアラートの送信を行ったところでありますが、いずれにせよ、Jアラートの送信時間をいっそう早めることなどについて、様々なご意見もいただいていることも踏まえ、関係省庁が連携し、システム改修も含めた改善策を検討をしています。なお具体的スケジュール等については、現時点では確定していません。
――日中首脳会談について伺います。岸田総理は先月末の記者会見で「対話をしっかり積み重ねたい。日中首脳会談、具体的な対話についても考えていきたい」と述べており、意欲を示しています。今月中旬にはインドネシア・バリ島でG20サミットなどが開催されますが、こういった機会を活用した首脳会談の可能性や調整状況について教えてください。
○松野官房長官
ご指摘の外遊や日中首脳会談については現時点で決まっていることはありません。本年は日中国交正常化50周年の節目の年であり、両国間には現代でも様々な可能性とともに数多くの課題や懸案がありますが、主張すべきは主張し、責任ある行動を求めつつ、諸懸案も含む対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力する建設的かつ安定的な日中関係を日中双方の努力で構築していく考えであります。首脳レベルのみならず、各分野、各層で重層的なやり取りを行っていくことが重要と考えています。
――先月24日に辞任した山際前経済再生担当大臣が、4日後に自民党の新型コロナ対策本部長に就任しましたが、受け止めがあればお願いします。
○松野官房長官
各党の党内人事に関して、私からコメントする立場にありません。