自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、東京地検特捜部が19日、安倍派と二階派の事務所に強制捜査に入りました。政治とカネの問題が注目される中、FBSでは政治資金について福岡県選出の自民党の国会議員に独自アンケートを行いました。

先週金曜日、福岡空港で取材に応じたのは、衆議院福岡2区選出、防衛副大臣に就任した森山派の鬼木誠議員です。キックバックについてたずねました。

■森山派（衆院福岡2区）鬼木誠議員
「そういう事実はございませんので関係ないと思っています。批判があるのは当然だと思います。あとは国民の選択だと思います。批判は自民党全体が甘んじて受けて、その改善をどう果たしていくのかということだと思います。」

FBSでは12月8日、福岡県選出の自民党の国会議員に対し、派閥の政治資金パーティーで販売ノルマがあったかなどについて質問状を送付し、回答を求めました。

質問状には現職10人のうち9人の議員から回答がありました。

まず、岸田派です。

松山政司参議院議員はノルマについて「目標枚数があった」とした上で、キックバックについては「なし」と回答しました。

衆議院福岡7区選出の藤丸敏議員はノルマについての質問に「配布分にのみ対応している」と回答しています。

衆議院福岡3区選出で、内閣府副大臣に就任した古賀篤議員は「宏池会事務局で現在精査中」として、ノルマやキックバックについて回答はありませんでした。

二階派です。

派閥の事務総長を務める衆議院福岡11区選出の武田良太議員からは「刑事告発を受けているので事実関係を慎重に確認した上で適切に対応」と回答がありましたが、ノルマやキックバックについての言及はありませんでした。

衆議院福岡4区選出の宮内秀樹議員についても同様の回答でした。

衆議院福岡6区選出の鳩山二郎議員からは「販売ノルマはあった」とした上で、キックバックについては「ない」と回答がありました。

麻生派です。

麻生派の会長、衆議院福岡8区選出の麻生太郎副総裁からはノルマについて「ありません」と回答がありました。

衆議院福岡1区選出の井上貴博議員からは期日までに回答がありませんでした。

大家敏志参議院議員はノルマについて「販売目標はあった」とした上で、「キックバックはない」と回答しました。派閥からの政治活動への資金は政治資金報告書に記載しているということです。

■麻生派・大家敏志参議院議員
「派閥から選挙や（資金管理団体への）年に数度の寄付は継続的に行われています。政治資金規正法にのっとって、ちゃんと収支を明らかにする。それを公開されているわけですから、どこに出しても恥ずかしくないような収支報告をやっていくべきだろうと思っています。」

今回の問題では政治資金パーティーの名目で集めたカネを収支報告書に記載せず、裏金となっていた疑惑が持ち上がっています。

特捜部の事情聴取に安倍派議員の複数の秘書は「派閥から『政策活動費』の名目なので記載しなくてもいいと言われた」などと説明しているということです。

衆議院福岡9区・福岡県選出の国会議員で唯一、党に所属していない緒方林太郎議員に聞きました。

■無所属（衆院福岡9区）緒方林太郎議員
「唯一開けられている穴として政党から政治家個人への寄付が認められているというところに、何とか押し込むことができれば、違法性はないじゃないかという言い訳を今しようとしてるんですね。」

政治資金規正法を改正し、政党から議員個人への寄付をできないようにするべきと訴えます。政党から議員個人への寄付はいわゆる政策活動費と言われ、政治資金収支報告書に記載する必要がなく、使い道を明らかにする必要がありません。そのため緒方議員は裏金になりうると指摘します。

■緒方議員
「自由民主党という政党から、自由民主党の幹事長（個人）に多い年であれば10億円のお金が寄付されています。自民党だけではなく野党でも、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党がやっていますので（個人への寄付禁止は）やっぱり既得権に触れるところってあると思う。透明性が高まる、より説明責任が高まるという方向で議論を進めていきたいと思います。」

NNNと読売新聞が12月15日から17日まで行った世論調査では、政治資金規正法の改正が必要と思うかという質問に「思う」と答えた人が88パーセントに達しました。

政治とカネの問題について捜査機関だけでなく国民の厳しい目が向けられる中で、政治資金の透明化を実現できるのか、渦中の自民党だけでなくすべての国会議員に問われています。