【熊本県知事選】候補者に聞く県政課題への考え「旅行支援事業めぐる不適切受給問題」
去年9月、公益通報者保護法に基づき、代理人弁護士を通じて報道機関に寄せられた外部通報。テレビ熊本の関連会社、「TKUヒューマン」が販売したタクシー券を使った旅行商品で、補助金の不適切な受給の疑いがあると指摘しました。さらに県の幹部が担当課にこの疑いを見逃すよう指示した結果、見逃した不適切な受給額は約2000万円にのぼるとしています。
外部通報を受けて去年10月、県は第三者による調査委員会を設置。今も非公表での調査が続いていると見られています。しかし、設置から5か月あまり。調査の内容や進捗などは、一切明らかにされていません。
この状況について、蒲島知事は。
■蒲島郁夫知事(3月6日・定例記者会見)
「第三者委員会が結論を出すべきだ、いろいろなことは言うなと。その結果を待って、私が知事であれば私が決断を下し、辞めた後なら次の知事が下すのが正しい」
県政に一石を投じたこの問題にどのように対応するのか。候補者に聞きました。
宮川一彦候補は、県民の知る権利を保障するため、第三者調査委員会の途中経過を県民に知らせるべきだとしています。
■宮川一彦候補
「やはり情報公開というのは、県民からすれば国民全体そうですけど、知る権利を持ってますんで、途中の経過でもですね、ご報告させていただくと。それはマスコミの方の協力を得てしていきたいと思ってます。またその場合によっては、第三者委員会の状況によってはまた別の方を起用させていただいてですね、即調査をさせていただいて、結果を報告させていただきたいと思っています」
幸山政史候補は、調査の内容が不透明なまま時間だけが過ぎているとして、できるだけ情報をオープンにし、開かれた県政を目指すとしています。
■幸山政史候補
「今の県政はどちらかというと、 閉じられた世界の中でいろんな物事が決められてしまっているのではないかという疑念のひとつが、今の旅行支援助成事業にも当てはまるかなというふうに思っていますので、もっともっと開かれた県政というものを実現していかなければならないと思っています。できる限り県民には包み隠さずオープンにしていくという姿勢。これも、これまでとは改めていく必要があるのではないかというふうに思っています」
毛利秀徳候補は、問題の責任の所在を明らかにした上で、透明性を重視した県政を実現したいとしています。
■毛利秀徳候補
「誰が責任があるのか、そこはきちんと明確にするべきだと思っています。やっぱりこの責任は県知事にありますので、それは僕が頭を下げてきちんと謝罪します。それから調査を行って、その調査に対して皆さんに透明化できるように公表いたします。僕は黒塗りなど必要ないと思っています。全てを透明化にして、皆さんが信頼できる県政を僕は築きたいとは思っております」
木村敬候補は、調査に時間がかかっているのは内容を精査しているからだとして、結果がまとまるのを待ちたいとしています。
■木村敬候補
「今、時間がかかっているというのは、やっぱり第三者委員会が相当精緻に調査しているので、それは私は信じています。それに、遅い、遅いと皆さん言われますけれども、それは第三者委員会に任せてほしいという告発した人の声、そしてそれを支持するマスコミの人たちが言った結果、こうなっているので、そこはやっぱり一旦言ったことはその通りやってみてほしいと思っています。蒲島知事の任期中に終わらずに私の方にやらせていただければ、もう喜んで私はしっかり対応したいと思っています。」
調査委員会に委ねられた県の旅行支援事業をめぐる問題。新たなリーダーの対応が注目されます。熊本県知事選挙は3月24日に投開票が行われます。