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【熊本県知事選】候補者に聞く県政課題への考え「川辺川の流水型ダム」

2024年3月14日 20:48
【熊本県知事選】候補者に聞く県政課題への考え「川辺川の流水型ダム」

3月7日に告示された県知事選挙。いずれも無所属で新人の4人が立候補しています。

様々な県政の課題について4人の候補者の考えをシリーズでお伝えしています。3回目のテーマは「川辺川の流水型ダム」です。

「流水型ダム」の構造。普段は川の水をそのまま流しますが、大雨など緊急時のみゲートを閉めて水を一時的にため、下流に流れる水の量を減らす仕組みです。普段水をためないため環境への影響が少ないとされています。治水と環境保全の双方を目指して採用された流水型ダムについて、4人の立候補者の考えは。

1966年に発表された国営・川辺川ダムの建設計画。2008年に現職の蒲島知事が白紙撤回し「脱ダム」の象徴となりました。ところが熊本豪雨により事態は一転。蒲島知事は流水型ダムの建設に方針転換しました。

国内最大規模となるダム建設。国が環境への影響を調査するなど計画が進められています。

一方で、ダムに水をためると一部が水没する五木村や建設地がある相良村は建設への賛否を明らかにしていません。流域住民からは、半世紀以上ダム問題に翻弄され衰退した村の将来を不安視する声や、環境への影響を懸念する声が相次いでいます。蒲島知事が任期中にめどをつけたいとしている県政の長年の課題「ダム問題」。4人の候補者はどう向き合うのか聞きました。

流水型ダム建設の賛否について「一概に答えられない」とする宮川候補。建設する場合は県自ら環境への影響の調査や住民への説明が必要だと話します。

■宮川一彦候補
「一概にダムがあれば皆さん救えるかということも保証ないです。(ダムが)なければないでまた同じことがあったら大変だということで一概には答えられないですね。本家本元は国ですけども、でもやはり県のものですし県民が関わるものですから、やっぱり責任持ってその辺は調査しなきゃなと思っています」


幸山候補は、流水型ダムの賛否を判断できる状況にはないと説明。環境への調査結果を慎重に見極め、流域住民や関係機関と協議したいとしています。

■幸山政史候補
「流域住民の意見もかなり分かれているところでもあって、その中で環境に対する不安っていうのは特に強いなと。今もその環境に対する調査は行われてはいます。だからそれを精査していきたいとまずは思っています。それでもし足らないということなのであればですね、独自の調査なども考えられるかというふうに思っています」


現状、流水型ダム建設に反対の姿勢を示している毛利候補。環境への影響をふまえ、「人の命」を最優先に検討を進めたいとしています。

■毛利秀徳候補
「このダムにつきまして、今現状僕は反対の姿勢です。自然を壊して造るべきではないと思っております。ですが実際に水害が起きていますので、住民の方と住民説明会をして、あと調査を繰り返してどこが焦点かというと、ここは人命だと思っているんですよね。そこで話を進めたいなとは思っております」


「蒲島県政の継承」を訴える木村候補。流水型ダムのデメリットは少ないとの立場で、ダム建設を含む「緑の流域治水」を推進する考えです。

■木村敬候補
「新たな流水型ダム これは川の流れに沿ったダムなので平時は川と全く同じ流れをしますので問題ないと思っています。いざというときの一瞬どういう風になるかということをしっかり調査をして、それも国と県と一緒になって公表していきます。そのうえで国の調査で足りないところがあれば県独自にやっていくこともやぶさかではないと思います」

賛否が分かれるダム問題。新しいリーダーのかじ取りが注目されます。
熊本県知事選挙は3月24日に投開票が行われます。
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