石破首相が「防災庁」設置方針 地震や豪雨を経験した熊本県民の受け止めは
厳しいやじも飛ぶ中行われた石破首相の所信表明演説。その中に「熊本」という言葉が。
■石破首相
「平成28年に起きた熊本でも地震でも、直接亡くなられた方々の4倍もの方々が避難生活の中で健康を崩されるなどして、災害関連死として亡くなられています。災害関連死ゼロを実現すべく、避難所の満たすべき基準を定め 、平時からの官民連携体制を構築します」
熊本地震の時を例に、災害時の避難所の環境に言及した石破首相。避難所のあり方を見直すとともに、事前の防災を徹底するため、新たに「防災庁」を設置する方針を明らかにしました。
熊本地震の時、避難所の運営を経験した益城町の吉村静代さんは、石破首相の発言をどうとらえたのでしょうか。
■熊本地震で被災 吉村静代さん
「今回、具体的に(防災庁を)作りますよということがあったので、非常にうれしい思い。国としても災害が起きた時は、こういう人たちをきちんと(被災地に)出すんだと人材育成、防災に対しての人材育成を一番にやっていただきたい」
また、4年前の熊本豪雨で避難生活を経験した住民は。
■熊本豪雨で避難生活経験者
「(避難当時は)風呂も4日目くらいからしか入れなかった。1人ではやっていけないので、みなさんの協力も大事」
■熊本豪雨で避難生活経験者
「(防災庁設置が)ちょっと遅いですよね。3.11(東日本大震災)の時点でもう(防災庁を設置)してほしかったですよね」
一方、熊本県の木村敬知事は石破首相への期待を語りました。
■熊本県 木村敬知事
「避難所をよりよくするのは、熊本地震での大きな教訓です。逆を言えば、政府は法律の中でまだまだ避難所を十分に位置づけていないのも事実です。ぜひ政府をあげて、よりよい避難所の整備につながるような 動きが出てくることを期待しています」
【スタジオ】
(永島由菜キャスター)
緒方太郎さんは、東日本大震災や熊本地震など、これまでの災害取材を通してどう感じましたか?
(緒方太郎キャスター)
災害関連死は、いわば「救えたはずの命」です。関連死を生む一因は、避難所の劣悪な環境といわれているのですが、日本は「避難所後進国」という話を聞いたことがあります。
熊本地震でも、冷たい床に毛布1枚で寝るなど精神的にも体力的に疲労困憊の状況がありました。奥能登では、今まさに災害関連死のリスクが高まっている状況です。石破首相は、ずいぶん前から防災庁の創設を訴えてきましたから、救えるはずの命を救う具体像を早く待ちたいと思います。