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島根県丸山知事「ブラックホールの東京が一時的に人口を吸い寄せ 日本の人口を減らす2次的ブラックホールに・・・」と 東京一極集中の問題を厳しく指摘

2024年5月22日 19:19
島根県丸山知事「ブラックホールの東京が一時的に人口を吸い寄せ 日本の人口を減らす2次的ブラックホールに・・・」と 東京一極集中の問題を厳しく指摘

過度な東京一極集中は大気汚染と同じ“公害”ー。鳥取市で5月22日に開かれた中国地方知事会で、島根県の丸山達也知事は人口が東京に集中していることについて、厳しい言葉で問題点を指摘しました。

島根県 丸山達也 知事
「東京一極集中を放置しているうちは、人口減少対策をやっていることにはならないと政府には認識してもらいたい」

島根県の丸山知事はこう話し、解消には抜本的な改革が必要だとの認識を示しました。強い危機感の背景には、民間の有識者団体「人口戦略会議」が4月下旬に発表した将来的に“消滅”する可能性の高い都市、いわゆる「消滅可能都市」に全国の自治体の約4割に当たる744自治体が含まれていたことがあります。

さらに人口の“ブラックホール”となっている東京の一部地域を問題視しました。こうした地域には、全国から若者を中心に人が集まる一方、出生率は1前後に止まり、人口減に拍車をかけかねない存在となっています。

島根県 丸山達也 知事
「ブラックホールが一時的に人口を吸い寄せるだけでなく、人口を減らす2次的なブラックホールにもなりつつある。出生率の低い地域に若者が移り、暮らしていくと(次の世代には)人口が半分になってしまう」

丸山知事は、この問題の原因として企業の偏在を指摘します。東京に多くの企業が本拠を置き、雇用を生み出し、自治体は税収を伸ばしていますが、一方で地方は活力を失いつつあり、もはや従来の方法では解決が難しいと強調しました。コロナ禍を経て、テレワークやオンライン会議が普及しました。間接部門を中心に地方へオフィスを移転させるハードルは確実に下がっていますが、企業の動きは緩慢です。

島根県 丸山達也 知事
「大気汚染や温室効果ガスなどと同じで、日本の社会全体に迷惑をかけてしまうなら何らかの形でコスト負担をしてもらうことが必要」

こう話し、企業にも解決のための努力を求めるべきだとしつつ、社会の理解が得られればその負担を分かち合うべきだと説明しました。

今回の知事会に出席していた岡山県の伊原木隆太知事。かつて人口動態に合わせ法人税を変動させる方法を提唱しましたが、当時は理解を得られませんでした。近年は知事会でも評価する声が出ているといい、丸山知事も知事会の中で、この手法に理解を示し「制度に合理性があれば」と断った上で、地方の法人税を東京よりも低い水準にするなど、東京一極集中を解消するため政策税制の導入の可能性にも踏み込みました。

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