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【静岡県知事選挙】鈴木康友氏が初当選…15年ぶりの県政かじ取り役を決める激戦ドキュメント

2024年5月27日 17:36
【静岡県知事選挙】鈴木康友氏が初当選…15年ぶりの県政かじ取り役を決める激戦ドキュメント

15年ぶりの県政のかじ取り役を決める静岡県知事選。激戦を制し初当選を果たしたのは鈴木康友氏でした。

(髙山 基彦キャスター)
「国会議員2期、浜松市長4期16年の経験を訴え続けてきました。鈴木康友さんです。今大きな拍手に包まれながらこの会場に姿を現わしました。今握手を交わし奥様の知寿さん の姿もあります表情もほっとし た安堵の表情を浮かべています」

開票の結果、鈴木氏は72万8500票を獲得。大村氏は65万1000票余りでした。次いで、共産党の森氏が約1万8000票となりました。

自民党が推薦した大村氏と立憲民主党や国民民主党が推薦した鈴木氏。事実上の与野党対決は野党に軍配が上がりました。勝敗を決めたのは一体、何だったのでしょうか…?

これは各市町ごとに、鈴木氏と大村氏、どちらの票が多かったのか色分けしたものです。中部・東部伊豆は全て大村氏が勝利した一方、西部は鈴木氏が勝利。勝敗を決めたのはやはり、鈴木氏が市長を務め、これまでに強い地盤を固めてきた“浜松市の票”でした。浜松市の開票結果です。鈴木氏が約14万票という“大きな差”をつけた結果となりました。中部・東部・伊豆を制した大村氏でしたが、それ以上に康友氏が多く西部の票を獲得したことが勝利した大きな理由です。

(当選・鈴木 康友氏)
「皆さま、本当にありがとうございました。今回、川勝知事が辞職をされ突然の選挙となりまし た。大変厳しい選挙が予想される中、本当に多くの皆さまに支えていただいて、こうして当選することができることが。心から厚く御礼を申し上げます。改めて本当に本当にありがとうございました。選挙を通じて訴えてまいりました。これまでの 2期5年、そして4期16年の市長の経験、この前後含めて25年の政治行政の現場で培った経験や知見あるいは人脈の人枠のネ ットワークを全部注ぎ込んで、 これからの県政の立て直しと、そして更なる県政の発展に全力を尽くしてまいりたいと思います。全県民と共にオール静岡で幸福度日本一の静岡県をつ くるため全力を尽くしてまいりたいと思います。どうぞ皆さまよろしくお願い申し上げます」

(大村 慎一氏)
「この選挙結果につきましては、全ては私の不徳の致す所でございまして、力が及ばずだったということにつきまして心よりお詫びを申し上げます」「当選された鈴木候補にはオール静岡と言っていただいて ますので、この私の愛するふるさと静岡県をぜひ素晴らしい豊かな県として発展させていただく ことを心から祈っております。誠に申し訳ございませんでした」

当選から一夜明け…浜松市の選挙事務所を訪れた鈴木氏。妻、知寿さんと一緒に朝刊に目を通しました。

(鈴木 康友氏)
「朝から結構電話もかかってきてほとんど、2時間くらいしか床に就いてない。少々寝不足気 味です」

(記者)
Q.「激戦となりましたけれど選挙戦振り返って」

(鈴木 康友氏)
「本当に短期の決戦。情勢も大変 厳しかった。私にとっても最初 の市長選の初陣のような感じだった。多くの皆さんに支えていただきこうして当選することができて本当に良かった」

(記者)
Q.「リニア問題のスタンスについては」

(鈴木 康友氏)
「基本的にはリニアの推進をしていかなければならない。ただ川勝知事が提示された水の問題 やアルプスの環境の問題。一つ一つの課題、現実的な解決策を見つけていくというのが結果的にリニアの推進に繋がっていくと思う」

(記者)
Q.「野球場の問題はどう進める」

(鈴木 康友氏)
「できれば県と市の協議会のようなものを作れないかなと漠然と 考えている」「どういう開発をしていくのかについては、市の方の考え方も入れながら県と市が連携して、必要であれば民間も入れて、全体構想を作るところから進めていか ないといけない」

一方、大村氏は…

(大村 慎一氏)
「おはようございます。おはようございます」

27日 朝、静岡駅へとつながる地下道で、通勤客にお礼のあいさつをしていました。

(記者)
Q.「道行く人からどんな言葉を?」

(大村 慎一氏)
「応援してましたとか、ありがとうございましたとか、今後も頑張ってくださいとか、そういったお言葉をいただきました」「今後については全く白紙なので」「私を支えてくれた皆さま や家族と話をしていきたいと思う」

その後、県庁を訪れた大村氏。推薦を受けた自民改革会議などを回り、支援への感謝を伝えていました。

最後まで接戦となった今回の知事選。国政にも大きな影響を与えそうです。

自民党の小渕優子選挙対策委員長は「激戦の中あと一歩及ばず残念ながら当選を果たすことが できませんでした」「県民の審判を真摯に受け止めるとともに今後も静岡県政の発展に力を尽くしていきたいと存じます」とコメント。一方、立憲民主党の大串博志選挙対策委員長は、自民党の裏金問題も“不満の声の受け皿になった”と話しました。

(立憲民主党 大串 博志 選対委員長)
「今、自民党が裏金問題で、自浄作用を全く発揮することができず、 政治不信を深めている中で、国政上にも大変大きなインパク トを持つ結果だったというふうに思います」

また、県内では15年ぶりの新知事誕生で県政もこれから大きく変わろうとしています。鈴木氏を支援した県議会ふじのくに県民クラブの田口章会長は…

(ふじのくに県民クラブ 田口 章 会長)
「追い上げを受けていたというのも承知していたが」「本当に皆さん一人一人が票固めではなく拡大をしっかりやったのが勝因になったかなと思います」「県西部に偏った票が出ているんじゃないかという話もありますけど」「県全体の最適化・県全体と伸ばしていく実践力を発揮していただきたい」

一方、敗戦した大村氏を推薦した自民党県連の、相坂摂治選対本部 副委員長は「短期決戦で認知に時間がかかった」と振り返りました。

(自民改革会議 相坂 摂治 選対本部副委員長)
「短期決戦だったということで名前そのものは伝わったと思うが、大村さんが目指しているものやどういう人柄でどんな思いで選挙をやっているかを認知していただくまでには時間が必要だった」

また、あくまでも“友人として大村さんを支援”していたという静岡市の難波市長は、鈴木知事が担う県政と協力して課題に取り組んでいくと話しました。

(静岡市 難波 喬司 市長)
「いろいろ課題はあります特に防災です。巴川の問題、経済産 業の問題。鈴木康友さんはずっ と浜松市でスタートアップの支 援をやられて新しい産業構造の 転換。新しい産業づくりに取り 組んでいた。」「是非とも連携していければと思う」

鈴木さんは28日、県庁で当選証書を受け取り、29日から知事としての公務がスタートします。職員に訓示を述べ、その後、初の記者会見に臨む予定です。

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