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【静岡県知事選】県西部「製造業」「林業」の現状と課題…県の新たなリーダーに求めることは?

2024年5月15日 17:15
【静岡県知事選】県西部「製造業」「林業」の現状と課題…県の新たなリーダーに求めることは?

26日が投票日の知事選を前に静岡県の課題をシリーズでお伝えしています。

15日は「県西部」から自動車を始めとした「製造業」と山間部の「林業」にスポットをあてます。現状と課題、そして県の新しいリーダーに求めることは?

知事選に立候補しているのは、届け出順に、いずれも新人で、
諸派の横山正文 候補
共産党の森大介 候補
無所属で立憲民主党と国民民主党が推薦する鈴木康友 候補
無所属で自民党が推薦する大村慎一 候補
無所属の村上猛 候補
無所属の浜中都己 候補
の6人です。

自動車やバイク、楽器など、製造業が盛んな県西部。中でも、浜松市の経済界は自動車メーカー・スズキの鈴木修相談役が前知事の川勝氏を長年、支援するなど県政に一定の影響力を持ってきました。しかし、“ものづくりのまち”と言われる浜松市の製造品出荷額は静岡市に抜かれ、2位に転落…。中でも厳しい状況に置かれている西部の中小企業は新しい知事にどのような支援を求めているのでしょうか。

湖西市の富士部品製作所。創業56年の機械加工メーカーです。主に製造しているのが…。

(富士部品製作所 水野 恵助 社長)
「こちらが自動車に使われている部品で、神奈川の自動車メーカーに納めています。だいたい月7~8万個ぐらい」

社員は48人。部品の加工から仕上げまで一貫して生産することを“強み”にしています。しかし、電気自動車=EV化の影響で、エンジンの関連部品などの需要が減り売り上げは3割ほど減少。“逆風”の中新たに参入したのが鉄道部品の製造です。

(富士部品製作所 水野 恵助 社長)
「車輪を固定するためのボルトになります」「自動車部品をずっと専門にやってきた会社ですが、自動車部品で培ったノウハウをこの部品に凝縮させて、他社ではなかなかできない部品になっている」

自動車だけでなく、鉄道や船舶・建設機械の部品の製造にもチャレンジし業務を拡大。より高性能な部品をつくるため「三次元測定器」も導入しました。生き残りをかけて試行錯誤を続けていますが、頭を悩ませているのが…。

(富士部品製作所 水野 恵助 社長)
「私も自ら求人活動をやるが」「人材確保という意味では非常に難しい部分があるのかなと感じています」

地元の高校生を対象にインターンシップを行うなど“人材の確保”に奔走しています。水野社長に新たな県のリーダーに求めることを聞くと…。

(富士部品製作所 水野 恵助 社長)長
「静岡県の人口がこの15年で10万人以上減っている現状を踏まえると、湖西地域でも同じことが言えます。なので人口の確保をどういう風にしていくか、外に流出する人材をどう受け止めるか、そういったところだと思います」

“北遠”地域で盛んな「林業」も担い手の確保が課題です。浜松市天竜区の伐採・製材会社「フジイチ」。

私たちを案内してくれたのは、天竜区の中心部から車で30分ほど、標高650メートルの山の中にある龍山町の伐採現場です。

(フジイチ 石野 秀一 社長)
「売るほどある、とはこのことだよね。この辺の特徴はほとんどが人工林だからね。雑木というか色が変わるものがないわけね」

天竜区は面積の約9割が森林で、奈良県の吉野、三重県の尾鷲とともに「日本人工三大美林」の一つに数えられています。

(伐採作業の様子)
「足元よし!周囲よし!」

この会社では、不定期だった休日を土日に固定するなどの「働き方改革」を進めた結果、ここ数年で若い従業員が増え平均年齢は38歳に…。約70年前に植えられたスギを伐採するのは20代の若手職人です。

(2023年 三重県から就職 落合 海秀さん・21歳)
「いま2年目になります」「親方にいろいろなことを教えてもらえて学べる機会が多いので楽しい気持ちが大きいです」

担い手不足や高齢化は解消されつつありますが、いま直面している課題が従業員の“賃上げ”です。石野社長は「企業努力には限界がある」と打ち明けます。

(フジイチ 石野 秀一 社長)
「木の材価も低迷しているし売れ行きも良くないので、せっかく来てもずっとここで働いて収入が得られるかと10年ぐらいたつと疑問になって辞めちゃう人もいるのね」「10年前だったらご老体ばかりだったのが、少しずつ若い人が入ってきたけれど、そういう人たちをこの職場でずっとやり続けてもらうということができていないと思っています。これからの課題ですよね」

木を育てて伐採し再び苗木を植えて育てる。山を守り、災害を防ぐためにも石野社長は「もっと多くの人に県産材を使ってほしい」と訴えます。新たな県のリーダーに求めることは?

(フジイチ 石野 秀一 社長)
「県のリーダーは、今まで選挙のときには言うけれど、実際 山に来た人は見たことない。今度のリーダーには、僕らと向き合って、山の道が悪いことや山の整備がされていないなど、実際見てね」「お金(補助金)を出すだけでなくて、向き合ってやってくれる方が知事になってくれるとうれしいなと思います」

史上最多の6人が立候補する県知事選挙。県西部の課題について、それぞれの候補者はどう向き合うのでしょうか。

(スタジオ解説)
自動車を始めとした「製造業」に対する候補者の考えを見ていきます。

鈴木康友 候補は、浜松市長時代にEV化に伴う中小企業の技術転換を支援する「次世代自動車センター」を立ち上げた実績を強調し、「知事になっても浜松市と連携して支援を強化したい」と話しています。

大村慎一 候補は、中小企業の支援が非常に重要だとして、「人手不足でも生産性を上げられるようデジタル技術を導入を支援したい」と話しています。

森 大介 候補は、「ものづくりを下支えしているのが下請けの中小企業。物価や資材価格が高騰するなか、中小企業への支援に重点を置きたい」と話しています。

次に「林業」についての考えです。

鈴木康友 候補は、「木材のブランド価値を上げて“稼げる林業”をつくらないといけない」として、こちらも浜松市長時代に進めた適切に管理された森の生産品であることを証明する「FSC認証」の取得を全県で進める、と話しています。

大村慎一 候補は、総務省で企画・立案した「地域おこし協力隊」の人数をさらに増やし「林業の新たな担い手確保につなげていきたい」 と話しています。

森 大介 候補は、「安心して住み続けられる中山間地にしていくことが大事。県の補助はあるが、よりきめ細かい支援を考えたい」と話しています。

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