富士山登山鉄道構想を断念 新たに“タイヤ式”検討へ 県が方針転換 山梨
県は18日、事業化を検討していた富士山登山鉄道構想について、レールを用いる「鉄道」を断念し、代わりにゴムタイヤで走る新交通システムを検討する考えを明らかにしました。
県の富士山登山鉄道構想は富士山の麓と5合目を結ぶ富士スバルライン上に軌道を敷設し、次世代型路面電車=LRTを走らせるものです。
しかし、地元に富士山の大規模開発を懸念する反対意見が多いことから、軌道を用いる「鉄道」を断念。代わりにゴムタイヤで走行する交通システム「仮称・富士トラム」の導入の可否を検討していく考えを示しました。
「富士トラム」は路面の白線や磁気マーカーの誘導により、自動で走行できる新交通システムだということです。
長崎知事
「一言で言うとゴムタイヤで走る電車の形をした新しいタイプのモビリティ(交通手段)。大幅なコストダウンを実現できるのではないか。まさに電車とバスのいいとこどり」
県の方針転換を受け、これまで富士山登山鉄道構想に反対してきた地元・富士吉田市の堀内茂市長は「鉄道方式を断念した知事の英断に敬意を表したい」とするコメントを発表。新たな案については「まだ詳細が分からない」としつつも「富士山の自然を破壊しないという前提で、慎重に議論を進めてほしい」としました。
富士山登山鉄道構想は長崎知事が初当選した2019年から公約に掲げていた施策の一つで、県政課題の大きな転換点となりました。