「実験台にしないで」富士山登山鉄道構想で反対団体と知事が意見交換 対話継続へ 山梨
富士山の麓と5合目をLRT=次世代路面電車で結ぶ県の富士山登山鉄道構想を巡り13日、反対する団体と長崎知事が直接、意見を交わしました。意見交換は2時間に及び、今後も対話を続けていくことを確認しました。
意見交換には富士山登山鉄道構想に反対する3つの市民団体の代表が参加。反対する理由と根拠を説明し、長崎知事が質問する形で行われました。
この中で市民団体側は、環境保全や信仰の観点から富士山の大規模開発は避けるべきだとし指摘。さらにコストや防災の観点からも構想に懸念を示し、鉄道以外の交通手段を検討するよう知事に求めました。
富士山の未来を考える市民の会 秋山真一さん
「冬季期間の鉄道は災害の危険性があるので、その際の復旧や修繕コストが鉄道の方が大きいのではないか」
富士山登山鉄道に反対する会 井上義景さん
「どんどん開発と環境破壊につながるようなことだらけになっていくのではないか。富士山を実験台にしないでほしい」
長崎知事
「危険な箇所に洞門をつくっていく必要がある。それは若干、現状を変更するものだが、これも反対する対象か?自然に手をつけるなという話はどこまでが許されてどこまでが許されないかは、しっかりと線引きしなければこの議論は進まないと思っている」
制限時間を設けずに行われた両者の対話は2時間に及びました。今回、知事は聞き役に徹しましたが、両者は今後も対話を続けることを確認しました。
富士山登山鉄道に反対する会 上文司厚 代表
「我々の会の考えはほぼ言わせていただいた。一定の成果はあったと思う」
長崎知事
「たいへん建設的な意見交換ができてよかったと思う。来訪者コントロールが必要だということはみなさんコンセンサス(合意)だったと思う。今回のような会を必要に応じて積み重ねていきたい」
一方、長崎知事は富士山登山鉄道構想に反対する富士吉田市の堀内茂市長とも近く、対話の機会を持つことを明らかにしています。