「卵の価格」どうなる 「鳥インフル」流行シーズン突入で懸念 値上げに“もう慣れた” の声も…
さまざまな料理に使われるたまごの平均価格はことし4月に過去最高となり、現在は1年前と比べると50円ほど高い状態が続いています。さらに、鳥インフルエンザの流行のシーズンに突入し、関係者からは不安の声が上がり始めています。
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21日、東京・池袋でにぎわいを見せていたのは「卵フェスin池袋2023」。
お客さん(30代)
「卵があればご飯何杯でも食べられます」
お客さん(40代)
「息子も私も卵が好きなので。40個1回で買って2週間でなくなる感じ」
卵好きにはたまらない、卵のフードフェスです。卵かけご飯の食べ放題では、全国から厳選された45種類、約5万個の卵が集結。
お客さん(20代)
「値上がりしてから買うのがおっくうになって」
価格の高騰が続いた卵。たくさん食べられる幸せはみんな同じようでした。
お客さん(40代)
「このイベントで高い卵も食べられてうれしいです」
お客さん(40代)
「最高ですね。ずっと卵のファンです」
ほかにも、鳥取のプリン専門店は、プリンの上に鳥取砂丘の砂をイメージしたカラメルをかける「砂プリン」を提供。
Totto PURIN 川村諒志代表取締役
「卵は原材料の中でも一番使う、なくてはならない大切な食材」
ただ、いま懸念があります。“鳥インフルエンザシーズン”への突入です。
Totto PURIN 川村諒志代表取締役
「お知り合いの鶏卵農家さんとかでも鳥インフルエンザ対策で(人が)入れないような状況にしている」
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毎年、渡り鳥の飛来が本格化し、10月には警戒が強まります。環境省などによると、11日には北海道で今シーズン初めてとなる野鳥の鳥インフルエンザの感染が発表されました。環境省は、野鳥の監視についての全国の対応レベルを3段階のうち、「1」から「2」に引き上げました。昨シーズン感染が確認された鳥取県は、すでに対策会議をひらいています。
プリン専門店も、これまでは2か所だった卵の仕入れ先を3か所に増やしてリスクを分散。
Totto PURIN 川村諒志代表取締役
「(鳥インフルエンザ感染で)どこかがダメになったとしても、ある程度店としては安定してプリンを供給できるような体制作りをしている」
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鳥インフルエンザがはやり出すと、気になるのが“卵の値上がり”です。
Mサイズ1キロあたりの平均卸売価格は1年前は239円でしたが、飼料の高騰や鳥インフルエンザの影響でどんどん高騰し、今年4月には過去最高値の350円に。その後、落ち着きを見せ、今月は287円(今月1日~きょうまでの平均値)となっていますが、1年前と比べるといまだ48円高くなっています。(※たまごの相場 JA全農たまご調べ 東京/Mサイズ卸売価格)
都内のスーパー「Odakyu OX 祖師谷店」では23日、10個入りの卵が268円(税抜き)で売られていました。
お客さん(50代)
「最近はこれぐらいかなと思うが(数年)前よりは高くなったなと」
鳥インフルエンザの流行についても、「卵の値段が上がるなら、ちょっとイヤだなとは思います」と話しました。その一方で、“値上げにはもう慣れた”という人も。
お客さん(50代)
「どっちかっていうと慣れっこになっちゃったから、鳥インフルエンザって言ってても(値段が)上がった時は、しょうがなくてその値段で買うって感じ。お正月は人の出入りがあるから、たくさん買うかもしれない」
店側としては「いつ鳥インフルエンザの感染が拡大するかわからないため、以前の価格までは下げられない」といいます。
Odakyu OX 祖師谷店 小松哲宏店長代理
「年末が来ますので、それなりに需要が増えると思いますので、鳥インフルエンザがまん延しないこと。それが一番願っておりますね」
卵の価格状況について、たまご業界の関係者はどう見ているのか。
たまご業界の関係者
「去年の鳥インフルエンザの影響から今も回復し切れていない。今後の卵の価格は、鳥インフルエンザの感染状況次第で変わってくる。流行しないことを祈るしかない」
年末にかけてますます需要が高まる卵。鳥インフルエンザが“値上げの波”を呼ばないか心配されています。