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久子さま、古希のお誕生日 「醸し出すパワーというのか…」世界的バレエダンサーが明かす“交流秘話”

2023年7月10日 21:59
久子さま、古希のお誕生日 「醸し出すパワーというのか…」世界的バレエダンサーが明かす“交流秘話”
新国立劇場バレエ団のみなさんと終演後、記念写真を撮られる久子さま

高円宮妃久子さまは、10日、古希(70歳)の誕生日を迎えられました。世界的バレエダンサーの吉田都さんが、知られざる交流を明かしてくれました。

10日、70歳となった久子さまは国内の公務に加え、5月から6月にかけヨルダン訪問、フィンランド・イギリス訪問と忙しい日々を送られています。

4月、久子さまが、訪問されたのは東京・渋谷区にある新国立劇場。この劇場のバレエ団の芸術監督で長年親交のある吉田都さんが出迎えました。

吉田都さん
「イギリスに留学する前に、松山バレエ学校の生徒として、松山バレエ団の公演に出させていただいていました。高円宮殿下と高円宮妃殿下が、その公演にいらしてたので、私が16、17歳ごろから舞台を見ていただいています」

「イギリスから日本に戻ってきた当時も、少しお話しする機会がありました。妃殿下からお話しいただいた中で、よく覚えているのは、バレエでもイギリスで演劇的な作品を踊ってきた私に、日本のこれからの若い人たちに、『演じることの楽しさや、どういうふうに演じるのかというのを、若い人たちにどんどん教えていって下さいね』ということをおっしゃってくださいました。私もやっていきたいことだったんですけれども、なかなか機会がなかったので、今、芸術監督としてダンサーたちに色々なことを伝えられる立場になって、それができることをとても嬉しく思っています」

◆久子さまバレエに心を寄せられ

「バレエの宮さま」とも呼ばれた故高円宮さまの遺志を受け継ぎ、久子さまはバレエの支援にも力を注がれています。

吉田都さん
「妃殿下が殿下のご公務を受け継がれて、本当にお忙しい中、劇場にお越しくださるだけでも励みになりますが、バックステージで公演が終わった後に、ダンサーたちにお声がけくださることは、私たちにとっては本当に大切なことで、感謝しております」

「いつもここ(新国立劇場)の舞台でお話しになるのは、ご公務で海外に行かれた時の色々なエピソードであったり、舞台をご覧になってアドバイスをしてくださったりと、とても貴重なお言葉をいただいております。ダンサーたちにも気さくに声掛けしてくださいます。ダンサーたちは、ちょっと固まってるんですけれども、その緊張をほぐしてくださるようなユーモアを交えたお話ししてくださるので、いつも笑いが起きます。醸し出すパワーというのでしょうか、毎回お目にかかるたびに、元気づけられております」

◆世界初演「マクベス」の制作秘話

久子さまがご覧になったのは、シェークスピアを原作にした新作バレエ。「マクベス」と「夏の夜の夢」の2作品が同時に上演されました。「マクベス」は、イギリス人振付師のウィル・タケットによるもので、世界で初めて上演されました。

吉田都さん
「制作のきっかけは、妃殿下が音楽を紹介してくださったことです。“バレエ音楽『マクベス』があるんですけれども、世界のどこでもまだ上演されていない音楽に、都さんはご興味ありますか”とご連絡いただきました。CDを送ってくださって、そこから制作が始まりました。今回『マクベス』を制作するにあたって、妃殿下が、“宮さまが多分とても喜んでくださってると思います”とおっしゃってくださいました」

「新国立劇場ができたときに、高円宮殿下がおっしゃっていたことは、“劇場の専属のバレエ団としてやるべきことっていうのを、しっかりとやっていかなくてはならない”ということでした。それはどういうことかというと、このバレエ団しかできないこと、例えば規模の大きいものや、斬新なもの、海外の最新のものなど、“バレエ団のレパートリーとして、きちんと残っていくようなものを作っていくべきだ”ということをおっしゃっていました。ですから今回、世界初演の『マクベス』という作品を制作できたことは、もちろん妃殿下もですけれども、殿下に喜んでいただけたのではないかなと思っております」

◆今月新作の「エデュケーショナル・プログラム」も

新作バレエの制作に続き、今月、新国立劇場バレエ団では初めて「こどものためのバレエ劇場2023 エデュケーショナル・プログラム 白鳥の湖」を上演します。これは吉田さんがかつて所属していた、イギリスのバーミンガム・ロイヤル・バレエ団で上演されている公演がもととなっています。

言葉を使わないバレエでのセリフの動きや、オーケストラについての解説付きで、初めてバレエを見る人や子供にも分かりやすい内容になっていて、鑑賞のハードルが高いと感じている人にもバレエを身近に楽しんでもらいたいと企画されました。今後も、国内唯一の国立のバレエ団として、こうした挑戦を続けるといいます。

吉田都さん
「公演の内容は、(ロイヤル・バレエ団と)引けを取らないと自負しております。しかし、ダンサーを取り巻く環境は、現状を知れば知るほど遠いということを実感しております。でもおかげさまで、一歩ずつですけれども、前進している実感もあります。実際に本当に色々なことが変わってきているので、めげずに前に進むのみといいますか、目標はクリアですので、そこを目指して頑張っていきたいと思っております」

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