「三社祭」に「神田祭」 4年ぶりに復活で“お祭りグッズ”も需要増加 コロナで打撃受けた“ラムネ”製造会社は…
今年は4年ぶりに浅草の「三社祭」が“本格開催”されます。ほかにも「神田祭」が4年ぶりに開催されるなど、今年は“祭り復活元年”となりそうです。それに伴い、お祭りグッズの需要も高まっているといいます。コロナ禍で祭りの中止が相次ぎ、打撃を受けていた“ラムネ”の製造会社や手ぬぐいなどを扱う老舗を取材しました。
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松金商事・店主 松村秀雄さん
「やっぱり派手でいいですよ。着物着ているのは」
賑わいを取り戻した東京・浅草の街をうれしそうに眺めていたのは、げたや雪駄などの「履物」を扱う卸店の店主です。
“コロナ禍”まっただ中の2年前にはこう話していました。
松金商事・店主 松村秀雄さん(2021年6月)
「需要が全くなくなっちゃったんですよ。1番影響受けているのは、お祭り(中止)ですね」
お祭りの中止が相次ぎ、商品の注文が“ゼロ”になってしまったというのです。大量の在庫を抱え苦境に立たされていました。
しかし、新型コロナが落ち着いた今年、5月19日から地元・浅草の「三社祭」が4年ぶりに“本格開催”されることになり、かつてゼロだった注文が徐々に戻っているということです。ただ、その心中は複雑なものでした。祭りの復活を前に、廃業に追い込まれたという同業の仲間たちも少なくないというのです。
ほかにも「神田祭」が4年ぶりに開催されるなど、“祭り復活元年”の今年。かつて祭りの中止で“どん底”に追い込まれた人たちは今、どうしているのでしょうか。
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祭りの縁日でもおなじみの“ラムネ”の製造会社を訪ねてみました。
祭りの中止などの影響で2年前には売り上げが半減したものの、“コロナ禍”があけた今は…
東京飲料・寺田龍代表取締役
「作っている状況の中から、注文がどんどん入ってきちゃうので。製造が追いつかない状態なので」
倉庫にはラムネが大量に積まれていますが、全然足りないほど“うれしい悲鳴”を上げています。しかし、“順風満帆”とはいかないといいます。
東京飲料・寺田龍代表取締役
「容器がなかなか入ってこない状況なので…」
ラムネの瓶を製造する会社がコロナ前より減ったため、製造本数を増やせない状況なのだといいます。ラムネに“甘酸っぱさ”を出す砂糖やクエン酸などの原材料の価格も高騰していて、忙しいのに利益はあまりあがっていないということです。
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祭りに欠かせない、浴衣や手ぬぐいなどを扱う日本橋の老舗には、祭りに参加するため手ぬぐいをまとめて買っていくお客さんが訪れていました。
客
「神田祭があるので、その時に使う手ぬぐいを探しに来た」
さらに、電話の注文もひっきりなしに入ってきます。
梨園染戸田屋・商店営業部 小林拓也さん
「1枚ずつでよろしいですか。すべてございます」
コロナ前の7割ほどまで注文が戻ってきたということです。
梨園染戸田屋・商店営業部 小林拓也さん
「2年前3年前のコロナ禍まっただ中の時は、注文状況がほぼ“ゼロ”に近い状況だったんですけど。それと比べたら天と地の差ですね」
苦しかった“コロナ禍”を持ちこたえることができたのは、手ぬぐいの生地を使って作った布マスクのおかげもあるといいます。売り上げを確保するため苦肉の策で販売を開始しましたが、当時、マスク不足が続く中、通気性の良さが評判になりました。
梨園染戸田屋・商店営業部 小林拓也さん
「手ぬぐいマスクが、なんとか食い止めてくれた」
今はその役割を終え、SALEの対象品となりましたが、このマスクがなければ今がなかった可能性もあるといいます。この夏は“祭りのにぎわい”が完全に戻ってくると期待しているということです。