観光地困惑…鎌倉で違法「白タク」営業が横行 対策と注意点は
神奈川県にある観光地の鎌倉で12日、捜査員が走り出した先にいたのは、違法なタクシー、いわゆる「白タク」の運転手です。その後、逮捕されました。鎌倉では、白タク営業が横行しているということです。
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神奈川県鎌倉市で観光客に紛れ、目を光らせていたのは、神奈川県警の私服捜査員です。
すると…突然、猛ダッシュする捜査員。向かった先は、黒いワゴンです。
中国からの観光客6人を無許可で自家用車に乗せ、運送し、運賃を受け取ったとして、中国国籍の趙偉竜容疑者(34)が現行犯逮捕されました。
日本テレビのカメラが捉えたのは、営業の許可を得ずに有料で客を運ぶ、いわゆる「白タク」の摘発の瞬間です。いま、鎌倉市では「白タク」が横行しているといいます。
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大町怜央フィールドキャスター
「午後8時前の鎌倉駅前です。この時間でも外国人観光客の方がいらっしゃいます」
年間のべ1000万人以上の観光客が訪れる鎌倉市。海外からの観光客も増加する中、「白タク」行為は周辺の店も悩ませています。
──道路に面しているお店は影響どうですか?
“白タク”横行する近くの店
「やっぱりすごい渋滞になっちゃうんですよ。危ないし、救急車も多いので、すごく困ってます。毎日です」
“白タク”横行する近くの店
「(白タクは)多いですよ。ずっと店の前にとめられて、1時間か2時間いますからね」
“白タク”横行する近くの店
「白タク来る前は、駐停車禁止(の場所)に車とめてなかったけど、すごい増えた」
趙容疑者が乗せていた客から、捜査員が話を聞く様子も。
捜査員
「支払いは済んだ?」
乗客
「もう払いました」「ネットで」
捜査員
「それは全部の旅行で4万円?」
乗客
「きょうだけ」
東京-神奈川の往復で、約4万円。乗客は、すでにネットで支払いを済ませたといいます。
専門家によると、海外のアプリなどで手軽に予約ができるため「白タク」の利用が増えたうえ、支払いがネット上で行われることで、摘発が難しくなっているといいます。
調べに対し、趙容疑者は「友達の友達を乗せて運転していただけ。お金はもらってないし、もらう約束もしていない」などと、容疑を否認しているということです。
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神奈川県のタクシー協会は…
神奈川県タクシー協会 鎌倉支部支部長・横山英夫さん
「特に土日は混むところなので(白タクを)駐車されちゃうと危険ですよね。どうにもできない状況。違う地区で聞いてみますと『友達、友達』と言って逃げられちゃうと」
──車のナンバーで、わかることはあるんですか?
横山英夫さん
「私ども営業車は、この緑のナンバーをつけておりますけど、(白タクは)白ナンバーで県外・都内のナンバーが非常に多いですね」
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神奈川県警は、今後も観光地での白タク摘発に力を入れていくとしています。
神奈川県警交通捜査課 山本東課長代理
「悪質なドライバーに関しては、今後、強制的に取り締まりをしていく」
白タクをめぐってはほかにも逮捕者が。先月30日には神奈川県大和市を中心に「白タク」を繰り返し派遣したなどとして、吉開貴大容疑者(52)ら3人が逮捕されています。
3年以下の懲役、または300万円以下の罰金などが科されることがある「白タク」。
この違反行為をなくすため必要なことは…
交通政策に詳しい 桜美林大学・戸崎肇教授
「厳罰化の必要はあると思いますし、周知徹底をまず行うべき。いわゆる白タクを行っている業者が、主に海外の人たちだとすると、どういった罪に問われるかということを、何らかの形でわかりやすく示す方が、まず先決ではないかと思う」
また、今年4月からはタクシー会社の運行管理のもと、一般ドライバーが有料で客を運ぶ「ライドシェア」も始まりましたが、私たちが気をつけるべきことについては、次のように話します。
桜美林大学・戸崎肇教授
「(Q.利用者が気をつけること)きちんとしたタクシー会社のサイトであるかどうか確認する必要がある。白タクの場合は、どんな人が運転しているかわかりません。車両もちゃんと点検しているかわかりません。危険性を避けようと思ったら、単に安いとかそういうことだけで選ばない」
(11月12日放送『news zero』より)