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3歳児に給食完食“4時間”強要か 認定こども園で不適切保育 ボイスレコーダーの音声で… 三重・桑名市

2023年5月15日 22:01
3歳児に給食完食“4時間”強要か 認定こども園で不適切保育 ボイスレコーダーの音声で… 三重・桑名市

三重・桑名市にある認定こども園で約4時間にわたり給食を完食するよう強要されるという不適切な保育が疑われる事案が起きました。不審に感じた保護者が録音したボイスレコーダーには、保育士が園児たちを繰り返ししかるような音声が記録されていました。

    ◇

三重・桑名市に住む3歳のKくん(仮名)は、心に大きな傷を負っていました。

Kくん(仮名)の母親
「話をすると多分思い出すんでしょうね、じんましんが全身にバーと出るんですよ。もう恐怖とストレスで支配されたと思うので、それがもう体に出てしまう」

じんましんが出るほど思い出したくない出来事は、Kくんが通っている三重・桑名市の「長寿認定こども園」で起きました。その時の様子が園内で録音された音声に記録されていました。

保育士
「うわ、おしっこもらした。そのおしりで座らんといて!」

保育士
「パンツやなくておむつや、恥ずかし~」

Kくん
「(泣き声)」

保育士
「給食早くたべてお片付けも早くしたら、こんなことにならなかったでしょ!」

市によると、この時Kくんは約4時間にわたって給食を完食するよう強要されていました。その間はトイレに行くことができず、失禁してしまったといいます。さらに、保育士の言動はエスカレートします。

保育士
「すっぽんぽんや、恥ずかしい。赤ちゃんみたいやな。先生が泣きたいわ~。え~ん、え~ん」

録音されていたのは、Kくんをバカにするような発言の数々です。

Kくん(仮名の母親)
「私は、犯罪ですよねと思います。二度と子どもたちに関わってほしくない」

発覚のきっかけは、今年2月にKくんと同じクラスに子どもを通わせる保護者が気づいた子どもの異変でした。一部の保育士に相談したところ、虐待や不適切な保育が疑われたため、園の様子を確認しようとボイスレコーダーをカバンに入れました。すると、Kくんの音声が録音されたのです。

Kくん(仮名)の母親
「こんな小さい子どもたちを怖がらせて泣かせていじめて。もう本当に悪質だなって」

それでもKくんは「僕が悪いことをしたから、ごめんなさい」と言ったといいます。

Kくん(仮名)の母親
「虐待した先生たちに対して『誰々先生ってどう思う?』って聞いたんです。そしたら、子どもは『好きだよ』って言うんですよ。『どうして?』って聞いたら、『僕が悪いことをしたから、ごめんなさい』と言うんです。本当に聞いた時は、心が苦しいと思いました」

ボイスレコーダーには、外国人の園児が繰り返ししかられる音声も録音されていました。給食の後、片付けを保育士に見てもらう際、うまく言葉が話せなかったためだといいます。

保育士
「見てくださいは!? 見てくださいはぁあ!?」
「ごちそうさまする前にちゃんと持ってきてください」

園児
「見てください」

保育士
「早く持ってきて!」
「何で『持ってきて』って言ってんのに離れてくの? 持ってきて!」
「早くして! これ以上イライラさせないで」

園児
「(泣き声)」

複数の保育士が、子どもたちに強い口調を使っていたとみられています。中には子どもをかばおうとする保育士もいましたが、それを別の保育士がさえぎるような音声もあったといいます。

    ◇

先月、保護者が呼びかける形で2・3歳児クラス向けの説明会が開かれました。市も立ち会う中、園長は「この度は不適切な保育があり、保護者の皆さま、子どもたちの信頼を裏切り心を傷つけてしまったこと、大変申し訳ありませんでした」と謝罪。園長は今月7日付で辞任しました。

一方、桑名市は当初、保護者から提供された問題の音声を聞くことを拒んだといいます。保護者の相談から約2か月がたった今月9日、市長が初めて記者会見でこの件についてコメントしました。

三重・桑名市 伊藤徳宇市長
「第三者による調査委員会を近日中に設置し、再発防止につなげたい」

市によると、園は2歳・3歳児のクラスで給食の強要などがあったことを認めているということで、関わった保育士6人は自宅待機や担任を外れるなどの処分を受けているということです。

市は、園児に対して行われた行為について、虐待に当たるかどうか調査を進めるとしています。

Kくん(仮名)の母親
「取り返しのつかないことをしてくれた。しっかり調査してもらって、他の子どもたちが同じような経験をしないようになればいい」

市は、今週中にも調査結果をまとめ、県に報告するとしています。