御巣鷹の尾根で慰霊登山を支える「つえ」 遺族に寄り添う子どもたちの思いは… 日航機墜落事故38年
520人が犠牲となった日航機墜落事故から38年、群馬県上野村の御巣鷹の尾根では朝から慰霊登山が行われました。
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事故から38年。登山道の入り口には、「つえ」がたくさん置かれています。中にはメッセージが書かれたものも。
慰霊登山を支えているのが、手作りのこのつえです。
姉を亡くした遺族(64)
「『頑張って僕たちのかわりにのぼってください』。感激です」
つえには悲惨な事故の再発防止と安全を祈るメッセージもあります。このメッセージを書いた学校のひとつが藤岡市立美九里東小学校の5・6年生です。慰霊登山を行う遺族の心に寄り添おうと、2001年からこの活動を行っています。
先月、初めてこの学校を訪れた事故の遺族がいます。夫・正勝さんを亡くした谷口真知子さん(75)です。事故の悲しみを乗り越えてきた家族を描いた絵本『パパの柿の木』の読み聞かせを行いました。子どもたちは真剣な表情で耳を傾けます。
谷口真知子さん
「いま(家族が)いる現実を奇跡みたいにありがたいと思って、毎日を大切に生きてくれたらうれしい」
つえにメッセージを書いた子どもたちには、どう届いたのでしょうか。
「いろんな人が悲しんでほしくないので書きました」
「感謝の気持ちを伝えて、家族がいることを大事にしながら生活したい」
子どもたちの思いが込められたつえ。これからも慰霊登山を支え続けます。