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オミクロン猛スピードで拡大…各地で最多に

2022年1月13日 21:48
オミクロン猛スピードで拡大…各地で最多に

東京では13日、新型コロナウイルスの感染者が1週間前より2400人以上増え、およそ4か月ぶりに3000人を超えました。一方で政府は、オミクロン株に感染した人の、濃厚接触者の待機期間について、現在の14日間から短縮する方向で検討しています。

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13日朝の東京・新宿区。都民は無料で検査ができる民間のPCR検査センターに並ぶ列は、ほとんど途切れませんでした。

東京では早くも、13日の新規感染者数が3000人を超えました。猛スピードで拡大を続けるオミクロン株。

街の人
「これからが怖い。ぐわって(増えて)いくのが…早すぎるのが、怖いです」
 
東京で新規感染者数が3000人を超えるのは、去年9月2日以来、およそ4か月ぶりです。

感染状況を分析する都の会議では──

国立国際医療研究センター 大曲貴夫医師
「色は『オレンジ』にしております。『感染が拡大している』としました」

感染状況について、「感染が拡大している」とする4段階で上から2番目に1段階引き上げられました。それと同時に、医療提供体制の警戒レベルも1段階、引き上げられました。

都内の1日の感染者数は、去年8月の5908人が過去最多ですが、AIを使ったシミュレーションの結果、多くの専門家が「今月中にも1万人を超える」と推計していることが報告されました。

東京都の小池知事は──

東京都・小池知事
「災害状況などでは、それに対応して避難所をつくったりするわけですよね。それと同じことが起こるという認識をもって、しっかりと備えていかなければならない」

まん延防止等重点措置については「病床使用率が20%」、緊急事態宣言については、「50%」の段階で国への要請を検討すると明らかにしました。

沖縄県では13日、過去最多となる1817人の感染を確認。

沖縄県・玉城知事
「いまだかつてない爆発的なスピードで、感染拡大に歯止めがかからない状況が続いています」

同じく過去最多805人の感染が確認された広島県は、14日から県内全域にまん延防止等重点措置を拡大すると発表しました。

13日午後5時時点で、感染者数が過去最多を更新したのは11の県にのぼっています。

さらに午後4時すぎ、千葉県はオミクロン株に感染疑いのある90代以上の女性が、今月に死亡したと発表。

「オミクロン株の疑いがある患者さんということの死亡例となっております」

女性はワクチンを2回接種していたものの、循環器系に基礎疾患があったとみられています。

こうした中、「社会機能の維持が難しくなる」として、自治体などから見直しが求められていた、濃厚接触者の自宅などでの待機期間について新たな動きが。

岸田首相
「濃厚接触者の隔離期間等、必要に応じて対応していくことも考えていきたい」

複数の政府関係者によると、政府はこれまで14日だった自宅待機期間を短縮する方向で検討。専門家会議の提言を受け、判断する方針です。

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感染が拡大する中、都内にある民間救急会社では、去年12月には月3回程度だった搬送依頼が、2022年1月に入り、1日約10件に急増。

13日も30代の新型コロナ患者を搬送しました。男性はワクチンを2回接種済み。3日前に38.8度の熱が出たものの、それ以降は、かぜのような症状しか感じなかったといいます。ところが、13日になって、「けさから、ちょっと味とにおいがうすくなったかな」と話します。

この男性がオミクロン株に感染しているかは、まだわかっていませんが──

民間救急フィール 齊藤学代表
「当社が搬送する方の約7~8割がオミクロン株の感染者になります。中には家族間クラスターが出てしまって、お子様とお父様であったり、お母様を一緒に搬送することもあります」

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“どん底の苦境”に再び立たされているのが旅行業界です。都内にある旅行会社では――

読売旅行 坂元隆取締役社長
「ちょっと前のチラシですけど、『GoToトラベル』と大きくうたっている」

去年11月、大々的に「GoTo再開」と告知をのせていましたが、オミクロン株の拡大で一切メドが立たず。新春の折り込みチラシでは、扱いを小さくして掲載しました。

既に受け付けた予約分もキャンセルが入り始めているといいます。

読売旅行 坂元隆代表取締役社長
「どん底と言えば、どん底だと思います。ただ今に始まったことではないので、忍耐強く待って、チャンスが来たら旅行していただくと、そういうふうに考えています」

一方、“駆け込みの予約”とみられる現象も。

神奈川県箱根町の温泉旅館。GoToトラベルの再開を見越した2月以降の予約が入っていましたが、今週だけで約40件がキャンセルに。しかし──

箱根藍瑠 渡辺健支配人
「1月は昨年の108%程のペースで(の予約)。『割引がきかないなら、今のうちに行っておこう』というお客様もいるのかなと」

外出自粛など、強い措置が出される前に旅行に行こうと、駆け込みの予約が増えているといいます。

度々、期待を裏切られた旅行業界。GoTo再開にむけ、今、望むことは、「明確な基準を示してほしい」と話しています。

箱根藍瑠 渡辺健支配人
「これから桜のシーズンを迎えるにあたって、『落ち着いたら(GoTo)再開する』という漠然としたアナウンスではなく、しっかりと、どのような数字になったら再開する、どのようになったら停止する、というのを明確にしていただけると、お客様も予約をとりやすくなると思います」