世界初 脊髄損傷治療にiPS細胞移植
慶応大学は、iPS細胞から作った神経のもとになる細胞を、脊髄損傷の患者に移植して治療する、世界初の手術に成功したと発表しました。
慶応大学医学部の岡野栄之教授、中村雅也教授らの研究チームは、臨床研究として、脊髄損傷後、2週間から4週間以内の患者1人の脊髄に、iPS細胞から作った神経のもとになる細胞、およそ200万個を注入する手術を去年12月に行ったということです。
患者の経過は良好で、今後1年間、安全性と有効性を観察する予定です。
また、独立委員会がこの患者のデータをもとに、継続してよいと判定した場合は、4月以降に、2例目の患者を募集し、手術を目指すということです。この臨床研究では、今回もいれて4例で安全性を確かめます。
脊髄損傷の治療について20年以上研究し、世界初のヒトでの手術を成功させた岡野教授は、「まだ1例目だが、無事に終えてうれしい。今後もしっかり研究を続ける」と話しています。