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「受けられない」PCR検査場に行列も…“キットなし” 医師が市民に求める“第7波”対策とは?

2022年7月15日 1:13
「受けられない」PCR検査場に行列も…“キットなし” 医師が市民に求める“第7波”対策とは?

東京都では14日、新たに1万6662人の新型コロナウイルス感染者が確認されました。渋谷にあるPCR検査場には多くの人が並び、PCR検査キットがなくなる事態も起きました。一方、埼玉にある救急病院では、重い肺炎のコロナ患者が搬送されてきたと警戒を強めています。医師が市民に求める“第7波”への対策とは?

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今、東京は“第7波”に入ったとみられる中、墨田区にあるお好み焼きが売りの居酒屋「よろずや」が実感していたのは――

店のスタッフ
「(予約は)以前の1月の頃よりは、少しずつ増えてきてくださっているなって感じですね」

今年1月には “第6波”の真っただ中で、「まん延防止等重点措置」が発出されていました。この店は“酒NG”となる時短営業を選び、客がゼロの日もありました。今は行動制限がなく、24時間営業を行っています。

来店客
「“第7波”どうなるんですかね。もう、慣れちゃってるじゃないですか、僕たち」

1日に30組から40組の来店があるといいますが、店のスタッフは「ここで“まん延防止”になってしまうと、ちょっとお店としては苦しいかな」と訴えました。

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14日、東京都では、新たに1万6662人の新型コロナウイルス感染者が確認されました。感染者数が1万6000人を超えたのは、2日連続です。

「渋谷駅前PCR検査センター」には、雨にもかかわらず、飛び込みで1日255人が並んでいました。

――すごい行列ができていますが、1日中このような感じで続いてた?

PCR検査場スタッフ
「そうですね。(むこうの)ロッカーのあたりまで」

ただ、この検査場では困った事態に陥っていました。

――PCR検査は受けられましたか?

PCR検査を受けに来た大学生(19)
「『できない』って、言われちゃって…。『もうない』っていう…」

PCR検査を受けに来た会社員(29)
「きょうの分が終わってしまって」

PCR検査場なのに、PCRが受けられないのです。

スタッフ
「PCR検査ができないので、抗原検査のみになります」

この検査場では、抗原検査キットで代用しなければならないほど人が殺到していたのです。

PCR検査場スタッフ
「困られている方が本当に多くて、お電話もたくさんいただいている」

PCRできず抗原検査を受けた会社員(50代)
「身の回りに、(コロナに)かかってる人が出てきたかなと実感する」

PCRできず抗原検査を受けた会社員(29)
「皆さん意識の中で、コロナに対しての危機感があるんだなと」

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第7波の行く末を皆が心配する中、東京都の小池知事は14日に開かれたモニタリング会議で、「感染状況が最高レベルの『赤』となりました。そして、医療提供体制は『黄色からオレンジ』ということで、それぞれ1段階上がっております」と述べました。

国立国際医療研究センター 大曲貴夫センター長
「1週間後には第6波のピークを越え、これまでに経験したことのない爆発的な感染状況になる。医療提供体制が十分機能しないことも含め、社会機能の低下を余儀なくされます」

専門家は「この増加比が続けば、2週間後には5万3000人を超える」と指摘しています。

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すでに第6波のピーク並みの状況を迎えていたのが、埼玉県内にある「ふじみの救急病院」です。

スタッフ
「ただいま、問診の部屋が満室になりましたので」
「今、問診の部屋満室のため、並んでお待ちいただいております」

1か月ほど前の発熱外来などのPCR検査数は1日約140人でした。現在の検査数は約800人に迫り、入院しているコロナ患者もいます。

ふじみの救急病院の鹿野晃院長は、病室と患者情報が書かれたボードを見ながら「院内の15床も満床ですね…」と話します。また、このままのペースで感染者が増加した場合、「下手すると(第6波の)2倍、3倍という大きな波になる可能性もある」と指摘します。

――第6波と第7波、どちらが恐ろしい?

ふじみの救急病院 鹿野晃院長
「圧倒的に第7波の方が恐ろしいですね」

その理由は、12日に救急搬送されたコロナ患者の肺炎の重さです。

ふじみの救急病院 鹿野晃院長
「(コロナ患者の肺のエックス線画像で)すりガラス状の肺炎の非常に重篤な影を見たスタッフは、本当に戦慄(せんりつ)して、(BA.5が)毒性が強いという明確な証拠はないんですけど、BA.5で多くの患者にこういう肺炎が起きて搬送されてくるとなると、ものすごく厳しい戦いを強いられるのではないかなと」

――一般市民に求めることは?

ふじみの救急病院 鹿野晃院長
「一旦緩んだ感染対策、日々の生活など、今一度ご協力いただけたら大変助かるなと思っています」

(7月14日『news zero』より)