感染者が増加傾向も“規制緩和”で花見の名所は…
31日、東京都心では最高気温が22℃を超え、初夏の陽気となりました。お花見を楽しむ人が増える一方で、新型コロナウイルスの新規感染者は増加傾向にあります。そんな中、3回目のワクチン接種会場で、予約枠が埋まらない自治体もでてきました。
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日本のさくら名所100選にも選ばれた、神奈川・横浜市にある神奈川県立三ツ池公園は31日、平日にも関わらず、駐車場が満車となっていました。公園の桜の下では、久しぶりの光景が見られました。
近所に住む家族
「今年の花見にかんぱーい」
「コロナ前にやって3年ぶりぐらい。そんな感じですね」
神奈川県では今年の春、県が管理する32の公園で3年ぶりにお花見飲食を認め、制限を緩和しました。お酒も、節度を守ればOKです。
20代
「最高ですね、好きな人たちと飲めるのは」
ただ、公園の管理者は、「コロナが決して収まったわけではありませんので、節度を持ったなかでの楽しみ(をお願い)」と、感染拡大が終息していないことを忘れてはならないと忠告しました。
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一方、今年もお花見自粛ムードの東京では、お花見のルール破りが続出していました。
時折舞い散る花吹雪に一斉にスマホを構える人たち。東京・中目黒は31日も多くの花見客で賑(にぎ)わっていました。
花見客(30代)
「これは確かにじーっと見たくなるなと」
花見客(30代)
「人がたくさん多いところでは、できるだけ食べ歩きとかはしないように」
感染対策のため、長時間の立ち止まりや、食べ歩きなどは自粛が求められています。
スタッフ
「住民の方からかなり苦情がきていますので、速やかな移動をお願いいたします」
ついつい長時間見ほれてしまう人や、沿道に(しばらく)立ち止まって食べたり飲んだりしている人など、一部、ルールを守らない人たちもみられました。
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31日、東京では8226人の感染が確認されました。ここ数日、感染者は増加傾向となっていましたが、31日は5日ぶりに前の週の曜日の人数を下回りました。
しかし、この1週間、実に日本列島のほとんどとなる37都道府県で、1週間の感染者数が再び増加傾向になっています。
厚労省アドバイザリーボード 脇田座長
「全国の新規感染者数が足元で増加傾向となっています」
このリバウンドの主な原因とみられているのが、従来のオミクロン株よりも感染力が強いとされるBA.2です。
脇田座長
「BA.2系統への置き換わりが進んでいます。感染者数が増加するだけではなくて、重症者数・死亡者数が増加に転じている国もあります。十分に注意が必要」
東京都独自の検査では、今月15日からの1週間、感染者の検体のうちBA.2疑いの割合が半分を超えたといいます。コロナ患者を受け入れている都内の病院では――
昭和大学病院 相良博典院長
「3月27日以降に関しましては、BA.2が大体8割くらいになってきていますので、今BA.2にほぼ置き換わってきているというのが現状です」
31日現在、重症化している患者はいないといいますが、現場でも感染力の強さを感じた瞬間があると話します。
相良院長
「(コロナ病棟ではない)6人の病床だったんですけど、1人が感染して、病床はしっかり隔離されていましたけど、残りの5名の方も感染してしまったということはあります」
感染が判明したのは、通常の病棟に入院している患者。病室は感染対策が徹底されていましたが、結果、同じ病室で入院していた全員が感染してしまったといいます。
相良院長
「マスクのつけ方ですよね。しっかりとマスクをつける。感染対策をより強固にやっていく必要性がある」
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再び高まる警戒感。しかし、思うように進まないのが3回目のワクチン接種です。
東京・清瀬市で唯一の集団接種会場では――
清瀬市 生涯健幸部健康推進課 鈴木基晴副参事
「きょうで終了することに致しました。3月に入ってから徐々に予約の埋まり方が減ってきたので」
31日も午後4時半以降の予約はゼロ。市民がスムーズに接種できるよう態勢を整えていましたが、市の3回目の接種率は54パーセント、停滞気味だといいます。
鈴木副参事
「予約枠がかなり余ってしまったのは、率直に言って残念な気持ちはあります。今後は病院やクリニックでの個別接種を受けていただきたい」
第7波を防ぐため、感染対策の見直しが改めて求められます。