使い道は“競走馬の購入”…秋本真利・衆院議員を逮捕 日本風力開発から6000万円 国会質問の見返りか
洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、東京地検特捜部は、衆議院議員の秋本真利容疑者を受託収賄の疑いで逮捕しました。多額のカネの使い道は競走馬の購入などだったということです
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先月、自民党を離党した衆議院議員の秋本真利容疑者(48)。国会議員の立場を利用し、多額のカネを受けとるなどした受託収賄の疑いで7日、東京地検特捜部に逮捕されました。
特捜部などによると秋本容疑者は、洋上風力発電の参入を目指す「日本風力開発」の塚脇正幸・前社長から2019年2月頃から議員会館の事務所などで複数回にわたり、国会で会社側に有利になる質問をするよう依頼を受け、その見返りに、19年3月ごろからあわせておよそ6000万円の借り入れや、カネの提供を受けた疑いがあるということです。
去年2月、秋本容疑者は、国会で洋上風力発電事業について質問していました。
秋本真利容疑者(去年2月)
「もう今公示している2回目の公募から。評価の仕方というのをちょっと見直していただきたい」
入札の評価基準を見直すよう訴えていましたが、これも塚脇前社長が求めていたことの一つでした。この質問のおよそ8か月後の去年10月、基準が見直されることが発表されたのです。
秋本容疑者はこの発表の翌日、議員会館で1000万円を受け取り、その日のうちに約600万円で3頭の馬を購入したということです。
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北海道日高町を取材に訪れると、そこには秋本容疑者が即日購入したという競走馬の1頭がいました。
競馬場のパドックに現れたのは、秋本容疑者が塚脇前社長から受け取ったカネの一部で購入した競走馬「パープルビューティー」。2人が共同で運営する馬主(うまぬし)組合が所有していて、北海道・門別競馬場でレースに出場しています。
取材したこの日の結果は、5着。獲得賞金は3万5000円でした。
お互いの趣味だった馬を通じて関係を深め、賄賂の授受をしていたとみられる2人。秋本容疑者は、2021年秋以降には共同で運営する馬主組合の口座へ振り込んでもらうなどして、カネを受け取ったということです。
関係者によると塚脇前社長は、特捜部の任意の調べに対し、資金提供は「国会質問に対する謝礼の趣旨を含んでいた」と話し、共同で運営する馬主組合についても「秋本議員のものだった」などと説明。
一方、秋本容疑者は、逮捕前、周囲に対し、資金提供を受けたことは認めているものの、「馬主組合への支出がなぜ賄賂になるのかわからない」などと、賄賂であることは否定していたということです。
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立憲民主党・泉代表
「自民党を離党しているからということで済むものではないと。改めてですが、議員辞職をすべきだと考えます」
一方、自民党の茂木幹事長は「大変、遺憾に思っている。厳粛に受けとめ、今後の捜査の推移を見守りたい」とのコメントを発表しました。