南海トラフ巨大地震検討会 先月の地震で「特段の変化なかった」
気象庁は南海トラフで巨大地震発生の可能性を評価する定例の検討会を開きました。
先月は静岡県東部を震源とする震度3の地震がありましたが、地震の規模が小さく大規模地震に結びつくような「特段の変化はなかった」とする見解をまとめました。
気象庁は今後30年以内の発生確率が70%から80%とされる南海トラフ地震について、専門家による定例の評価検討会を開き、先月、想定震源域で起きた地震活動や観測データの分析をおこないました。
その中で先月25日に発生した静岡県東部を震源とするマグニチュード3.5の地震については、地震の規模が小さく巨大地震へ直接的な影響を与えるものではないとしています。
こうしたことから検討会は南海トラフ周辺で「特段の変化は観測されなかった」とする見解をまとめました。
一方、評価検討会の会長で東京大学の平田直名誉教授は、静岡県御前崎などで長期的に観測されている地盤の沈降はフィリピン海プレートの沈みこみに伴うもので、その傾向に大きな変化は無いとしています。
しかし南海トラフ周辺では「大きな地震発生の可能性が非常に高いことから地震への備えを続けてほしい」と呼びかけています。